14歳の小学生。夢は校長先生!【ジンバブエ便りvol.29】

ジンバブエでは半年以上にわたる乾季が終わり、いよいよ雨季が始まりました。雨が少しずつ降り始め、木々に緑が戻りつつあります。ジンバブエ事業も、2013年の事業開始から約1年半が経ちました。2年目の今年は中学校での校舎建設や雨水を貯めるための貯水タンク及び手洗い場の設置、衛生トレーニングなどを行なっています。

昨年、3つの小学校にそれぞれ2つの校舎を建設し、机や椅子を備え付けました。校舎1棟に2教室があり、1教室あたり約45人の子どもたちが授業を受けられます。つまり、1校あたり約180人の生徒が教室内で授業を受けられるようになったのです。
以前は木の下や壊れそうな小屋で勉強していましたが、校舎ができたことで子どもたちの学習意欲は向上しました。その上、職場環境が良くなったことから先生たちも熱心に働くようになりました。

今回のブログでは、昨年建設した3つの小学校の1つであるニューマイン小学校(Newmine Primary School)に通学する、14歳のプロビデンス・カチメ(Providence Katsime)さんのインタビューをお伝えします。

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プロビデンス・カチメさん

プロビデンスさんは3人兄弟の長女として産まれました。
以前、プロビデンスさんは家から14キロも離れた別の学校に通っていました。ゴクウェ・ノース地区の他の大勢の子どもたちと同じように、彼女も長距離を歩いて通学していて、途中では大きな川も超えなければなりませんでした。学校がある日は毎日、朝早く起きて通学していましたが、学校が遠いため、どんなにがんばっても遅刻してしまいました。

3年生(プロビデンスさんが10歳の時)の2学期に、地元議員と行政の努力により自宅から1キロほどの場所にニューマイン小学校ができました。川を渡らずに学校に通えるようになりましたが、この新しい学校にも問題がありました。「学校」と名前がついているだけで設備も不十分で、それを整えるための財源もなかったのです。
子どもたちが川を渡ったり長距離を歩いたりしなくてもすむように、子どもたちの保護者が協力してお金を集めて作ったこの小さな学校は、簡素な校舎を建てるのが精いっぱいという状態でした。

Q: 前の学校について、どう感じていましたか?

A: 以前は、学校は楽しくなかったです。丸太に座って、自分の足を机がわりにしてノートをとっていました。雨が降ると校舎に水が入ってきて泥だらけになるので、学校は休校になっていまた。そんな学校にがっかりしていました。

Q: ADRAの支援についてどう思いましたか?

A: ADRAが地域の学校を建てる支援をしたいという話を聞いて、とてもうれしかったです。でも、トラックでセメントが次から次へと運びこまれてくるのを見るまで、本当だとは信じていませんでした。ADRAは大きくてきれいな2つの教室がある校舎を建ててくれました。それに、教室で使う机やイスもそろえてくれました。

Q: 今は毎日、どんなふうに過ごしていますか?

A: 朝、起きてシャワーを浴びてから学校に行っています。学校にはいつも早く行くので、先生は私を監督生(他の生徒の面倒を見る役割)と生徒会長にしてくれました。学校に行くのがとても楽しいです。校舎があるので、雨風や、寒さ、暑さから守られています。それに、新しい机に教科書を置いて、快適に勉強できるので授業に集中できています。

Q: 今回、新しい校舎ができたことで、自分が変わったと思いますか?

A: 学校を卒業したら、どんな職業にでもつけるという可能性を感じています。教育の大切さを子どもたちに教えるために、校長先生になろうと決めています。

Q: この学校についてはどう感じていますか?

A: ニューマイン小学校に通えることがとてもうれしいです。学校を建ててくれたADRAに感謝しています。

Q: 新しい校舎がなければ、どんな生活を送っていたと思いますか?

A: 丸太に座りながら先生の授業を受けなければいけないので、集中して勉強するのが難しかっただろうと思います。今年、小学校の卒業試験を受けることになっているのですが、前の学校では、試験をちゃんと座って受けられたか分かりません。

Q: この校舎は、あなたにとってどのような意義がありましたか?

A: 校舎を建ててもらい、ここで学べるようになったことで、物事や将来に対して自信を持てるようになりました。困っている人を助けようと思う人がいてくれるだけで、人生に何かいいことが起きるのだと思います

ADRA Japanはこれからもゴクウェ・ノース地区で支援活動を続けていきます。来年の3月までには、現在建設を進めている4棟の校舎の建設が終わる予定です。

1人でも多くの子どもたちが将来に希望を持てるよう、行政や地域の人たちとともに教育環境の改善を図っていきます。引き続き、みなさまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

*この事業は外務省NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施されています。

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