旅立ち【ジンバブエ便り vol.41】

完成した校舎の中で学ぶンガザナ小学校の子どもたち

今からさかのぼること4年前の2015年5月、初めてネニュンカ中学校を訪れました。ワラをかぶせただけの小さな教室の中で、子どもたちが太い木の枝に座って、土ぼこりにまみれながら授業を受けていました。それから、何度もネニュンカ中学校に通い、先生たちや保護者の代表、地域のリーダーらと話し合いを重ね、2017年の3月から教育支援活動を始めました。

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2015年当時のネニュンカ中学校
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青と緑の校舎が教育支援活動で完成した校舎。右端の校舎は、地域の人たちの力だけで建てているもの

それから2年間、地域の人たちとADRAチームが一丸となって働き、様々な困難を乗り越えて、ついに2019年3月14日にここネニュンカ中学校で支援活動の終了式を行うことができました。

式典には、在ジンバブエ日本国大使館の代表団やジンバブエの教育副大臣、そして、今回支援した4つの小中学校の先生や保護者の代表、生徒、地域のリーダーら総勢約700人が出席しました。40度に迫る灼熱の暑さと人々の歓喜に包まれて2年間の支援活動は終わりを迎えました。

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スピーチをする在ジンバブエ日本国大使館参事官の笠原氏
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完成した校舎を見て回るジンバブエの教育副大臣一行
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左からADRA Japanスタッフの橋本、ジンバブエ教育副大臣のモヨ氏、
在ジンバブエ日本国大使館参事官の笠原氏、ADRA Zimbabwe事務局長のMusvosvi
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2年間の活動を祝うセブジュル小学校の代表団とADRA Zimbabweのスタッフ
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式典のために200食を超える食事を準備するネニュンカ中学校の保護者ら
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サバラ小学校の子どもたちが採取した蜂蜜を売るサバラ小学校の代表団
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蜂蜜を購入してくださった日本大使館の代表団>

この2年間で、4つの小中学校で計8つの校舎や2棟のトイレが完成し、約1,700人の生徒が木の下や地べたで授業を受ける必要がなくなり、また、3つの教員住宅が完成して、先生たちが4畳にも満たない部屋を2人で共有して暮らす必要もなくなりました。さらに、これまで学校に通えていなかった約100人の子どもたちが通常学級とは異なる放課後学級で学べるようになり、養蜂活動を通じて学校の運営費の確保も少しずつできるようになりました。

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2015年当時のサバラ小学校の教員住宅。写真の男性は教頭先生
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部屋の中の様子
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新しい教員住宅(外観)
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新しい教員住宅(内観)

4つの学校がすべきことはまだまだたくさんありますが、学校の状況は4年前とは見違えるほど変わりました。変化は、学校の外観だけではなく、そこで学ぶ子どもたち、教える先生たち、そして保護者らの表情にも表れていました。この2年間、学校の開発や運営に深くかかわったことで自信をつけ、地域の一員であるという意識も高まったのだと思います。4つの学校は明るい未来に向かって進んでいくことでしょう。

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完成した校舎の中で学ぶサバラ小学校の子どもたち

そして、2019年3月19日から新たに教育支援活動をここ同じゴクウェ・ノース地区で始めます。これまでつちかった経験、得た学びを活かしながら、3つの小学校を3年間支援していく予定です。ジンバブエの中でも生活環境が特に厳しいゴクウェ・ノース地区で暮らす子どもたちのために、地域の人々と一緒になって一歩ずつ活動していきます。活動については、次回のジンバブエ便りで詳しくお話しさせていただきます。

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支援予定のクシンガ小学校の教室

これからの3年間も、みなさまの温かいご支援のほど、どうぞよろしくお願い致します。

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ンガザナ小学校の子どもたちとADRA Japanスタッフ

※この事業は、皆様からのご寄付のほか、日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。

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