アドラ・ジャパンが2017年より教育支援を行っているジンバブエのゴクウェ・ノース地区は、教育を受けることができていない子どもの割合が15.3%と、国の平均である6.6%と比べて2倍以上多い地域です。
毎年子どもが学校を中退してしまう現実を改善するため、学校に対する支援と、コミュニティーに対する支援の両側面からアプローチしています。
現在取り組んでいる活動のひとつは、学校の職員棟の建設です。
一時期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、工事の遅れが心配されましたが、今は概ね計画通りに建設工事をすすめることができています。
建設作業に必要な水が確保できるかどうかも、事業管理には大切なので定期的に水源の確認もしています。
事業地近くの浅井戸は水が枯れてしまっていましたが、干上がっている川の土を掘ると、水が出てくることを確認することが
できました。
大切な資材のひとつであるセメントも予定通り納品され、きちんと管理されています。
建築作業はこのまま順調に進んでいく見込みです。
また、同時に取り組んでいる学校運営を行っている学校開発委員会へのキャパシティビルディング研修では、学校の維持管理に必要な収入を委員会が独自に生み出していけるよう、専門家を招き、マーケット調査を通じて実際の市場の仕組みを学んだほか、養鶏・養卵、家畜(ヤギ)の飼育をどのように収入につなげていくか、参加者と共に考え、実践しています。
このほかにも、各家庭に教育の重要性を伝える啓発活動や、学校に来なくなってしまった子どもたちの追跡調査、学校に戻ることを希望した子どもたちへの特別支援学級の開催にも取り組んでいます。
ゴクウェ・ノース地区の子どもたちが学校に通えるようになるためには、あらゆる角度からのアプローチが必要です。
私たちは包括的に教育支援に取り組むことで状況を改善できると仮説を立て取り組んでいますが、当初設定した目標や指標の達成状況などを確認し、問題があった場合は、早期に改善策を見つけ、対応します。
現場では、移動が制限されて資材の搬送が遅れたり、水が出なくなったり、学校に通い始めた子どもがコロナの休校中に結婚してしまったりと、予想外のことも多々起こります。それでも、学校で学ぶ子どもたちの笑顔に触れるときや、学校を守ろうと真剣に取り組む大人たちの姿をみるとき、確実に前進できていることを感じます。
ジンバブエ事業は、皆さまからのご寄付のほか、日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。
引き続き、皆さまの温かいご支援を活用させてもらいながら、必要な支援を必要な場所に、我々の手で、責任を持って
届けていきます。
どうか、今後も活動にご支援・ご協力をお願いいたします。
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