ADRA Japanは、ジンバブエ共和国の西マショナランド州ニャミニャミ地区で、2022年4月より、住民参加型学校開発事業を続けています。3つの地区で持続可能な地域開発の基盤を築くことを目的として、当地の子どもたちが、学習に集中できる環境を築くことに取り組んでいます。
今回は、私たちの活動を理解し、共に働いている2人の母親に話を聞きました。
タウライ・ブンバさん(39)はジンバブエのカリサモヨ村出身の女性で、マジャゾ小学校に通う3人の娘の母です。ブンバさんは教室2部屋分のレンガの原料を、鋳型(いがた)に流し込む作業を担っています。現在、彼女は管理棟の建設に用いられるレンガ作りに勤しむ日々です。
ブンバさんは、同プロジェクトに参加する喜びを感じていると話してくれました。彼女はこの作業によって、自身の子どもたちを含めた地域社会全体が、安心して学習できるようになると感じているそうです。
またブンバさんは、「次世代にとって有益な活動だ。メンバーの一員となることが非常に重要だ」と語りました。同時に、マジャゾ小学校の児童が前向きな姿勢で学んでいることを実感しています。良い学習状況にあるからこそ、熱心に学校に通っているのだと、ブンバさんは確信します。 彼女は学校の発展を祈りながら、娘たちの学費をなんとか払ってきました。
活動中、ブンバさんは校舎建設に必要な川砂、コンクリートと混ぜ合わせる石を収集します。彼女は予定通りにレンガを完成させようと、できるだけ早く川の砂を集めようと努めながら、コミュニティが一丸となって仕事を成し遂げるんだと結びました。
マチルダ・ ムルミサさん(42)は7年生(日本の中学1年生)と3年生の息子、5年生とECD(日本の幼稚園)の娘を持つ 4 人の子の母親です。彼女の子どもたちは、ニョニ村のサウィラマクワンデ小学校で学んでいます。
ムルミサさん もレンガ作りに加わっています。彼女はこの活動を、「コミュニティが結束して共通の目標に向かう優れたプロジェクトです」と受け止めています。
親たちは、当初、レンガの原資となるセメントを購入する資金確保ができませんでしたが、ADRAと地域社会が手を組むことでレンガ形成のための川の砂を採取し、水も得られて余裕が生まれたのです。
ムルミサさんは子どもたちが安全、かつ学習しやすい教室で学び続けられることを望んでいます。
「今や、レンガ作りにおいて必要な材料が、すべて入手できるため、保護者の士気も高まり、作業が簡単にこなせます」
と微笑みました。
彼女は、「我が子にとって最寄りのマンヴラマチェナ中等学校でも、同じようにブロックで教室を築けないだろうか」と考えています。同プロジェクトが中学校でも実施されれば、生徒たちは喜んで近隣の中学校に通うことができるのです。また、学校で知識を身に付ければ自立の機会を得、早婚が減って「早すぎる妊娠・出産」の危険などから免れる可能性もあります。
引き続き、皆さまからの温かいご支援を、よろしくお願い致します。