完成式典が行なわれました【ジンバブエ便り Vol.11】

2011年11月1日、ADRA Japan の事業地ゴクウェ・ノースの小学校で、深井戸・トイレ・手洗い場の贈呈式と、衛生教育トレーニング受講生の卒業式を兼ねた式典が行なわれました。

この日は天候に恵まれ、会場となった小学校には1,000人以上の住民が集まりました。中には、この式典のために朝早くから10キロ以上もの道のりを歩いてやってきた住民もいました。

式典のために朝早くから集まった住民たち

 

式典には、在ジンバブエ日本大使館の原田参事官をはじめ、ミッドランド州の保健省職員や、ゴクウェ・ノース地区の行政職員など、多くの来賓の方々をお迎えしました。また、日本からはADRA Japan事業部長の橋本も出席しました。

ゴクウェ・ノースまでは、首都ハラレから車で5時間ほど、また、ミッドランド州の州政府のあるグウェルからでも4時間近くかかります。この式典のために、来賓の方々は長いでこぼこ道を何時間もかけてやって来てくださいました。遠路はるばるお越しいただいたことに感謝しています。

各地から参加してくださった来賓の方々
写真左:在ジンバブエ大使館の原田参事官 右:ADRA Japan事業部長の橋本

今回、この事業で衛生教育トレーニングを受けた受講生たちは、5月にすべてのトレーニングプログラムを修了しました。その後、彼らは教わる側から教える側へと立場を変え、11月のこの日に至るまで、それぞれの活動地域で20~30人のグループを作り、そのグループのリーダーとなって衛生教育を行なってきました。

たった1人の受講者から、子どもたちを含む多くの住民に教育が施され、そこからさらに多くの人々へと衛生の知識が着実に広められていくのです。今回の式典では、そうしたリーダーたちから衛生教育を受けた住民が、衛生や感染症などをテーマにする踊りや歌、寸劇を披露してくれました。

児童による伝統的な踊り

式典の最後には、衛生教育受講者の卒業式も行なわれました。式典を行なった地域の受講生一人一人に、原田参事官から卒業証書が手渡されました。初めて会う日本大使館からの来賓に、卒業生の顔からも思わず笑みがこぼれます。

卒業証書を受け取る衛生教育受講生

一口にジンバブエと言っても、地域によってインフラ整備や衛生設備の状況が全く異なります。2008~2009年にかけてコレラが流行した際、他の地域に比べて支援が届きにくかったゴクウェ・ノースの人々にとって、今回の事業で設置した深井戸やトイレ、手洗い場といった設備は、命をつなぐ大切な宝物です。


そうした地域に暮らす彼らにとって、遠くハラレから日本大使館の方が、また日本からもADRA Japanスタッフが自分たちの村を訪問してくれたことは、とても光栄なことだと口々に語ってくれました。

今回の式典が行なわれた場所は、現在事業を行なっている4つの地区のうちの1つでした。他の地区でも、今月、卒業式を兼ねた式典が行なわれます。また、それらの地区において建設中のトイレや手掘り井戸も、今月中に完成する予定です。

ゴクウェ・ノースのより多くの人々に安全な水と衛生的な設備が届けられるよう、ADRA Japan は、引き続き事業を行なって参ります。

(文責:ジンバブエ事業担当 前田恵梨子)

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