綿花の大地から【 ジンバブエ便り Vol.16】

ジンバブエに出張に来てから3週間が経ちました。今回は来年から事業を始めるにあたって、調査を行なうための滞在です。ジンバブエは南半球に位置するため、日に日に朝晩の冷え込みが厳しくなってきていますが、日本は梅雨に入り、寝苦しい夜を迎えているころでしょうか。

さて、今回は事業の対象地域であるゴクウェ・ノース地区についてご紹介したいと思います。
ゴクウェ・ノース地区はジンバブエの中西部に位置するミッドランド州の一地区です。首都ハラレから車で約6時間かかります。

朝晩は約5℃くらいまで冷え込みますが、日中は30℃を超えることも少なくありません。今、ジンバブエは乾季ですので、毎日とても乾燥しており、からっと晴れています。

砂埃があちらこちらで舞い、容赦なく日差しが照りつけます。皮膚がカサカサになるので、保湿クリームと日焼け止めは欠かせません。水場も非常に限られているので、必ずペットボトルに水を入れて持ち歩かなければなりません。

ゴクウェ・ノース地区の様子。とんがり帽子のようなものは村人の家



このように、ゴクウェ・ノース地区は決して人が住みやすい環境ではないのですが、それでも多くの人が今でもここへ移り住んできています。それは、この地域がジンバブエでも有数の綿花の産地だからです。

果てしなく広がるゴクウェ・ノースのサバンナでは、あちらこちらに綿花の畑が広がっています。日本では滅多に見ることはないと思いますが、ジンバブエでは5月から6月が収穫時期なので、車で移動していると、道沿いに白く膨らんだたくさんの綿花を見かけます。そして、子どもも大人も一緒になって、ひとつひとつ丁寧に綿花を摘んでいます。

綿花を摘む人々

摘み終わった綿花は、大きな袋に詰められ、都市からトラックで買い取りに来る業者に引き渡されます。綿花の栽培で生計を立てている人々にとって、収穫期の今が、一年のうち唯一現金収入を得られる時期です。この収穫次第で、今後一年間の生活が決まるといっても過言ではありません。

写真中央にあるのが摘み終わって袋詰めにされた綿花。どこの村でも村の真ん中に置いてある

ゴクウェ・ノース地区では、雨季には雨水を利用することができますが、乾季には非常に僅かな水しか得ることができません。日々の生活に必要な水を手に入れることすら困難を極めますから、ましてや野菜や綿花以外の商品作物を栽培することはできません。

そのような中、私たちADRA Japanは人々が安全な水を使いながら生活できるように、ジンバブエ支部と協力しながら今後の事業をつくり上げ、実施していきたいと考えています。


事業については今後もこのブログを通じてお伝えしていきますので、続報をお楽しみに。

~ 新コーナー「今月のショナ語」 ~

毎月、ジンバブエ便りでは現地で主に使われている言葉であるショナ語(ショナ族の言葉)の簡単なフレーズを紹介していきます。ショナ語はローマ字読みで発音できるので、是非声に出して覚えてみてください。

ジンバブエでは、他に英語、ンデベレ語(ンデベレ族の言葉)などが使われています。

【今月のショナ語】

Denga rakanaka.(デンガ ラカナカ)
意味:空がきれいだね。

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ゴクウェ・ノース地区のどこまでも広がる空

(文責:ジンバブエ事業担当 前川龍太)

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