大切なトイレと手洗い場

日本ではお盆休みが終わり、夏もいよいよ終盤に差し掛かってきましたね。

さて、前回に引き続き、今回もゴクウェ・ノース地区の小中学校のご紹介をしたいと思います。前回は、校舎の状況についてお伝えしましたが、今回は、トイレと手洗い場の状態についてです。

私たちADRA Japan が支援の準備を進めている学校は、サテライト・スクールと呼ばれる設立されて間もない分校です。前回もお伝えしましたが、これらの学校の多くは教育環境の整備が十分になされていません。

大抵のサテライト・スクールには非常に簡素なトイレがありますが、なかには設置されていないところもあります。既にあるトイレも壁などが木や土でできているため、崩れる危険性があります。さらに、地面が崩れるのを考慮してのことなのか、排泄物を落とすための穴が浅く、すぐにいっぱいになってしまうのも問題です。

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トイレの外側の様子
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トイレの内側の様子。仕切りはなく、小さい穴が並んでいるだけ

一方の手洗い場ですが、いくつかの学校にペットボトルを利用した簡素なものがありますが、これすらも多くの学校にはありません。そのため、ほとんどの子どもたちはトイレに行った後、手を洗えずにいます。

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小学校に設置されている手洗い用のペットボトル

トイレで適切に排泄物を処理できていなければ、排泄物が雨水などで広がってしまう危険性があります。また、手洗い場がなければ、子どもたちが様々なウィルスや細菌の脅威にさらされることになります。

このような不衛生な環境では、下痢や感染症のリスクが高くなることは目に見えています。実際に、2008年にジンバブエ全土でコレラが流行した際には、この地区が全国で最も感染者数の多い地域となりました。

子どもたちが下痢や感染症から守られ、安心して生活できるようになるためには、学校の衛生環境を整えることがとても大切です。なぜなら、学校は多くの子どもや教員、保護者が集まる場所であり、感染のリスクがとても高いからです。

また、学校での感染が子どもたちを通して各家庭に持ち込まれてしまうと、コミュニティ全体に感染が拡大することもあり得ます。つまり、学校の衛生環境を整備することで、コミュニティ全体の衛生環境を改善することにもつながるのです。

ADRA Japan は、学校とコミュニティの衛生環境が改善され、皆が安心して暮らせるように、小中学校での衛生環境の改善に取り組んでいきたいと考えています。

【今月のショナ語】

毎月、ジンバブエ便りでは現地で主に使われている言葉であるショナ語(ショナ族の言葉)の簡単なフレーズを紹介していきます。ショナ語は、ローマ字読みで発音できるので、是非声に出して覚えてみてください。ジンバブエでは他に英語、ンデベレ語(ンデベレ族の言葉)などが使われています。

“Kutsvobida!”(クツボビダ)
意味:上手くいくよ!

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小学校に通う少女

(文責:ジンバブエ事業担当 前川龍太)

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