2022年6月から2024年6月末日まで、カナダ政府とADRA Canada(カナダ支部)が手を結び、LEAPプロジェクトを続けてきました。
LEAPとは、Life Saving Evacuation(人命救助 避難)Assistance and Protection(援助・保護)の略です。ADRAはウクライナにおいて、この活動名で移動、心理的サポート、現金援助、シェルターを用意する等の支援を行ったのです。
LEAPプロジェクトの代表者であるマリーナ・ロシュコは言います。
私たちは、9台のバスと救急車2台を用意し、戦火が絶えない前線――ヘルソン、ドネツク、ザポリージャとルハンシク地方――からウクライナの方が避難することを手伝いました。ウクライナ領土内で、分け隔てなく、あらゆる種の輸送支援を提供したのです。
避難先は、ヘルソン・リヴィウ、ヘルソン・ムィコラーイウ・オデーサ、ヘルソン・キーウ、オデーサ、パランカなどでした。都市部が激しい砲撃にさらされると、人々は通常その場を離れ、複数のルートで安全な地域を目指します。またはリヴィヴァンド、チェルニウツィー、リヴィウ、オデーサ、ハルキウ、ムィコラーイウ、あるいはモルドバとの国境に避難するのことも手助けしました。
避難に加えて、交通支援として人々をサポートするバスの存在があります。薬局、食料品店、病院などに人々をお連れするのです。クラマトルスク、ドネツク地区内の3か所で走らせました。そして人々が避難場所から故郷に戻るお手伝いもしています。たとえば、安全が確認されたスームィ地域に住居があり、帰省したい方の希望に寄り添うよう働きかけました。
心理的なサポートは心理学者、心理療法士、精神科医、そしてコーディネーターとスーパーバイザーで構成した17名でこなしました。私たちは心理学的および心理療法的な支援を提供しています。
心理的支援は、オフライン、オンライン、グループセッション、個人セッションなど、いくつかの形式で、自殺予防などをテーマとした研修を行いました。コミュニティ内や、家庭内での暴力防止、ジェンダーに基づく暴行抑止、ストレス、燃え尽き症候群、疲労などに苦しむ人々の悩みを和らげることを掲げた活動です。
また、受益者の避難所確保にも力を注いできました。トニプロペトロウシクの3か所には、常設の避難所、また、2~3週間簡易的に滞在する4か所のセンターを備えました。こうした避難所には孤児院から連れ去られた子どもや、女性たちの姿があります。そこでは、子どもの世話をするデイケアの付添人、避難した人々のカウンセリングを行う心理学者、そして避難所の人々ができる仕事を探す専門家を配置しています。
本格的な戦争が始まる前、ここには家庭内暴力から生き延びた女性が滞在していましたが、今は、戦争の被害に遭った方が利用しています。障害児のためのホスピスもあり、約20名が住んでいます。動くことさえままならない子どもたちも、空を眺めることは可能です。
避難所にダイニングルームがある場合は、食料とウェブサイトを共有します。調理設備がない際は、既製の食事を用意します。ADRAは、避難所に衛生用品や家庭用常備薬、寝具などを提供しています。また月額およそ89米ドルを、3か月分給付金としてお渡ししています。
4つの柱で行ってきたLEAPプロジェクトは、ドイツ連邦外務省、ADRA Germany(ドイツ支部)などの手によって暫定的に「PEACE」という呼び名に代わって継続されています。 まだまだウクライナには平穏な日が訪れません。でも、ADRAは精一杯のサポートを続けます。皆様の温かいご支援を、よろしくお願いいたします。