12月に入って間もなく、ADRAウクライナのスタッフでプロジェクトマネージャーのローマンに、「出張で行ったドネツク州の被災者から聞いたお話で印象に残ったものはありますか?」という質問をしました。
これに対して、彼はこのように答えてくれました。
「どんな被災者と話しても、その一人ひとりのことが記憶に残ります。現地では人々がいかに大変な環境下で生活をしているかを目の当たりにします。彼らに聞く必要はないんです。彼らの目を見れば、そこにある悲しさが伝わり、彼らが経験してきたことが伝わってくるんです。それは、日々経験してきた絶望そのものです」
彼は次のようにも話してくれました。
「現在、ADRAウクライナが支援を集中的に届けている戦争の最前線の地域では、外からの人道支援物資に頼るだけでは生きていけないため、現地住民がコミュニティの中で助け合いながら生活をしています。村の中では住民たちがお金を持ち寄り、車を持つ人に支払うことで、その人がみんなの為に数十キロ離れたマーケットまで定期的に物資の調達を行っています。そのくらいまだ危機的状況です。」
ウクライナ支援の担当である高橋は次のように結んでいます。
「日本では、クリスマスや正月も近づき、大切な人や家族と過ごす時間が増えるにつれて、戦争開始から2年が経とうとするウクライナを思いやる気持ちが、忘れ去られることを恐れています」と。
終わりの見えないウクライナ危機で、現地の人々の命をつなぎ、悲しみを癒す支援が届けられるよう、ADRAはこれからもより一人ひとりに寄り添った支援を続けてまいります。
引き続き、温かいご支援をお願いします。
※この活動は支援者の皆さまからお預かりした寄付金と、(特活)ジャパン・プラットフォームによる助成金とで実施しています。皆さまの温かいご支援に、心より感謝申し上げます。
執筆:ウクライナ支援担当 高橋睦美