8月19日は、「世界人道デー(World Humanitarian Day)」です。
20年前のこの日、イラク国連事務所が攻撃を受け、人道支援に従事していた22名の方が命を落とし、100名以上が負傷するという痛ましい事件が起きました。
国連はのちに「8月19日」を、世界各地で起きている紛争や自然災害などにより支援を必要としている人々や、困難な現場で人道支援に携わる人々に思いを寄せるための日とし、「世界人道デー」と定めました。
しかしながら、今日も世界中では紛争が止まず、かつ、自然災害の影響を受けた2,070万人が人道支援を必要としています。
そのうち1,210万人は緊急を要しています。
加えて、2021年は、461人の人道支援者が襲撃され、141人が死亡、203人が負傷、117人が誘拐されるという事態が生じました。
その多くは、南スーダン、アフガニスタン、シリアで起こっています。
イエメンは世界最大の危機を迎えていますし、ロシア-ウクライナ間の戦争により死傷者の数が、今後増加するのは間違いありません。
実は私たちADRAも、つい先日、非常に危険な目に遭いました。
8月11日の朝、ウクライナ人道支援のための物資を保管しているADRA倉庫に爆弾を搭載したドローンが現れ、3発の爆弾を投下したのです。
その日、ADRAは344人が暮らすノボベリスラフ村に食料を届ける予定でした。
すべての箱を積み込み、出発の準備がほぼ整った瞬間、頭上のドローンに気づきました。
口々に「隠れろ!」と叫び、身を隠せる場所に走りました。
ほんの1秒後に爆弾の投下がはじまり、1発目の爆弾は車のボンネットに、2発目は別の車とトラックの間に、3発目はトラックの目の前に落ちました。
ADRAのスタッフはどうにか避難できたため、軽い脳震盪だけですみました。
ですが、命を奪われてもおかしくないできごとでした。
このような事態に遭遇してもADRAは活動を止めません。
今年の世界人道デーのテーマ「#NoMatterWhat(何があっても)」の通り、支援を安全に届け続けるための方法を模索し、人々に寄り添い続けてまいります。
日本でも、神戸で記念イベントが催されます。
明石海峡大橋、神戸ポートタワー、モザイク大観覧車、錨山が、国連と世界人道デーのテーマカラーであるブルーに染まります。
ADRAが今年6月に開催したブルーライトアップキャンペーンに参加された方は、ぜひお家でもブルーライトアップを意識していただけたら幸いです。
「8月19日」をきっかけに、あなたも世界中の叫び声に耳を傾け、人道支援の輪に加わって頂けませんか? ADRAは皆さんのサポートをお待ちしています。