6月6日(火)、ウクライナ南部へルソン州にある、カチョフスカのダムが決壊し、洪水被害が拡大しています。
ウクライナ当局によると、この洪水により周辺の37つの集落が浸水しました。
多くの家屋が全壊、または半壊し、ウクライナ政府はこれまでにドニエプル川西岸に住む1万7000人以上を避難させました。
多くの方が住むところを奪われただけでなく、化学物質による汚染の拡大や、水が地雷を下流に流すという問題も引き起こされています。
また、決壊したカチョフスカ・ダムは、ウクライナ南部に住む住民の飲み水の供給源でした。
そのダムが決壊してしまったことで、現在南部と南東部に住む70万人が生存に不可欠な飲料水を入手するのが困難な状況となっています。
ウクライナ当局の報告では、1日20,000トンの飲料水が不足しているということです。
ADRAはダムの決壊が起きた時点で飲料水が不足する事態になることを予想し、災害直後に、被災地へ飲料水を届けることを決めました。
激しい戦闘が続くウクライナ国内での物資調達や輸送は容易ではありません。
それでもADRAはこれまでの戦禍で行ってきた様々活動の経験とネットワークを活かし、6リットルのペットボトル、3,456本を確保できました。そして、発災2日後の8日には、荷台にいっぱいのボトル水を積んだトラックがヘルソン地域へ向けて出発し、無事に被災地の方々に届けることができました。
ダム決壊から2週間が経ちますが安全な飲み水、また生活用水の不足は今も続いています。
今後も、飲料水の提供を続けるとともに、モバイル浄水システムや衛生用品の配付などを通し、被災されたか方が安全な水を確保できるよう、取り組んでいきます。
皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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