ADRA Japanインターンの吉村です。
2023年2月22日、ADRA Japan報告会「第2回ウクライナデー この1年、あなたの寄付がどう人々を支えたのか」 をオンライン形式で開催いたしました。
報告会には約70名の方にご参加いただきました。
報告会では最初にADRA Japanの活動内容を説明したのち、
ADRA Japanスタッフの小出と高橋が登壇者として事前に集められた質問に回答するといった流れで進めました。
私自身、ADRA Japanでインターンを始めたばかりで、ウクライナでの活動は知らないことがほとんどでしたが、今回の報告会に参加し、印象に残ったことがいくつかありましたので、それらをお伝えしたいと思います。
- スタッフ小出からのご報告
まず、小出のご報告では、支援していただいた金額や食糧配布、医療、移動支援などウクライナ支援の全般的な内容が中心でした。
その中で私が印象に残った点は主に3つあります。
1つ目は、現金給付についてです。
物資支援というのはよく震災や紛争地、貧困で苦しむ方の多い地域などでよく行われていると思いますが、少額の現金をウクライナの方に生活に必要な物資を購入するためにお渡ししているということを聞き、現地のウクライナでは、危機を受けて失業してしまった方や家庭への救済の手厚さを実感しました。
2つ目は、ADRA Japanの支援先の多さです。
お話の中で支援を届けた人の総計として、周辺国への避難民70万人、ウクライナ国内では700万人へ支援物資を届け、ウクライナ人口の約7人に1人に対してADRA Japanから支援を実施しました。
3つ目は、避難民への心のケアです。
長い間、シェルターの中で暮らしている方に対して物資の支援だけでなく、専門のカウンセラーを派遣したり、教会でゲームをしたりし、心のケアも行っているようです。。
次に、高橋のご報告では、ウクライナの人々の現状や現地スタッフの生活など、現時点のウクライナの状況についての内容が中心でした。
その中で印象に残ったのは、2点あります。
まず、子供たちへの支援です。
ADRA Japanは現在、ウクライナで日本の子供から現地の子供たちにプレゼントを届けるというチルドレン・チルドレンという活動を実施しております。
プレゼントの中にはお菓子などが入っており、この箱をウクライナの子供たちに配布しております。
また、現地では、教育関連施設の破壊で受けられない子供たちのために、避難所でも勉強できるように対面やオンライン形式で補習を行うという独自の支援を行っていました。
ADRA Japanでは教育機関の破壊により、子供たちが教育を受けられないという現状にいち早く気づき、教育システムの回復までに時間がかかる中、ADRA Japanではできる限りの教育支援を行っています 。
次に、他の支援団体や現地ボランティアとの協力です。
ADRAは、KPU(KTO POMOZE UKRAJINE)という支援センターと共同で支援を行っています。
KPUでは対象条件に当てはまる方がアポイント制で食料品や衛生用品を受け取ることができたり、衣料品や子供用品(おむつ等)を必要な時に必要な分を受け取ることができたりします。
このKPUの運営はADRA Japanのコーディネーターやスロバキア・ウクライナのボランティアによって支えられており、更にボランティアで活動されている方は独自にKPUに集まって活動されています。
また、周辺国への避難では複雑なニーズや言語の壁がある中、現地ボランティアが率先して活動し、ADRA Japanと他の支援団体や多くのボランティアと共同で助け合いながら緊急支援に携わっていることが分かりました。
ご参加いただいた方からは、
「子供達がスロバキアに避難して生活を送る中で、現地の言語を覚えて適応しているという話がとても印象的でした。逞しく生活している同世代の話を聞くと、安全な場所で生活できていることに、使命感を覚えます。」
というような感想がありました。
現場での声を聞くという貴重な機会となり、本当にたくさんの学ぶことがあり、これからの自分の将来の夢である国際協力でのキャリア形成に生かしていこうと思いました。
(執筆:インターン 吉村勇人)