こんにちは、ADRAの永井温子です。
日曜日の夜、1週間のスロバキア出張から帰ってきました。
スロバキアは、多くのウクライナ避難民が暮らす国。現地で見聞きしたこと、感じたこと、考えたことが私の中にあふれていますので、皆さまにお伝えできればと、7日間の出張記をお届けさせていただきます。毎日の配信となりますので、気が向いたときにお読みいただけたら嬉しいです。
この出張の初日、私はADRAスロバキアの事務所の一角で行われていたスロバキア語のレッスンを見学することができました。このレッスンには、ウクライナから避難してきた方々が参加しています。プロジェクターで上映されているスロバキア語のドラマに集中する生徒さんに交じり、私も空いていた椅子に腰かけました。
隣では、白いA4用紙にボールペンを走らせる女性が座っています。おそらく新しく出会った単語やフレーズをメモしているのでしょう。その熱心な姿勢に心を打たれていると、画面から流れるセリフに笑い声が上がり、参加者の方同士が目を合わせて楽しむ様子が見られました。
外国語のドラマを字幕なしで笑えるということは、それだけ語学力が熟達しているということです。同時に、一緒に学んでいる仲間との関係性もできていることを知り、この時間が、その場にいる方にもたらしている価値を感じることができました。
レッスン後に、参加者の方々と交流できる時間が急遽、設けられることになりました。皆さんそれぞれが辛い経験を抱えていることを思うと、この日は何をどう話していいかわからなかったのが正直なところです。お帰りの際、握手の手を差し出した私を、両腕で抱き寄せてくれた女性が、私の緊張の糸をほぐしてくれました。
その時にかけられた言葉が、ウクライナ語だったのかスロバキア語だったのか、はたまた英語だったのか、はっきりとは覚えていません。ただ、「ありがとう」という意味だったことは分かります。私の手に、カバンの底から探し出したチョコレートを、笑って握らせてくれました。
次回の配信では、翌日に訪れた避難民センターでのエピソードをお届けします。そこでの活動や、人々の声を共有できればと思っています。どうぞお楽しみに。
それでは、また明日お会いしましょう。
お読みいただき、ありがとうございました!
ADRA Japan 永井温子