「ADRA Japanが、苦しんでいるお子さんたちに手を差し伸べている姿に感銘を受けました。それで、我々はチームで参加することにしたのです」と語ったのが、シャディ・チャーバン(38)さんです。
カルロス・エバラさん、そして、ホセ・ブランコさん(59)と、一緒に来日しました。
ベネズエラ人であるチャーバンさんが走ることに夢中になってから、早くも30年の月日が流れています。
「サイクリングや山登りも好きですが、僕にとって一番のスポーツはマラソンですね。旅行会社に勤務しているのですが、ストレスを感じていた時期もあって、喫煙者だったんです。でも、やはり体に悪いじゃないですか。2016年に止めました。
健康にならねばと、20マイル(32.18km)、30マイル(48.28km)と、走り込むようになりました。これまでに、シカゴ、ベルリン、ニューヨークなどのマラソンに出場し、今回が5回目です」
チャーバンさんは、一目でマラソンランナーと分かるような、細身の体です。
「マラソンは身体だけでなく、人間の心も健やかにしてくれます。ゴールに向かって迷いなく進むという行為は、“生きる”ことにも通じるように僕は感じます。走れば、いつだって前向きな気持ちになれますよね」
チャーバンさんやエバラさんのコーチを務めるのが、パナマ生まれのブランコさんです。
ブランコさんは7歳の時、父親にマラソンを勧められました。
「単に健康にいいぞ、と。競技としてというよりも、体を鍛えることを目的としてでした。
高校時代、私はそこそこの選手となりましたが、国を代表してオリンピックを狙うようなレベルでは無かった。ただ、パナマの大学チャンピオンにはなれると思い挑戦し続け、実際に優勝しています。
マラソンは、日々の努力が求められます。そして本番も、苦しみに打ち克つ強いメンタルが求められます。つまり、人として成長できる要素を十二分に含んでいるのです。そこが素敵だなと、常々感じますね。
45歳で、指導者になりました。今は、少しでも多くの人にマラソンの魅力を伝え、広めることが私の目標です」
そのフランコさんは、ADRA Japanの「東京マラソン2024チャリティ」募集を知り、仲間と手を上げることにしたそうです。
「いいな!と思いました。国内外で支援活動を30年もやっているNGOという点にインパクトがありました。発展途上国の教育支援に加わりたいと考えたんですよ」
世界120カ国に支部を持つADRAですが、今回、東京マラソン2024チャリティを通じて、新たな仲間に巡り合えたことが、何よりの財産です。