皆さま、こんにちは。
エチオピア駐在員の辻本です。
今回は、活動状況についてご報告します。
2020年9月からスタートしたエチオピアにおける南スーダン難民への水衛生支援事業は2021年8月14日をもって無事に終了しました。
この事業でADRA Japanがエチオピアのクレ難民キャンプで建設したトイレは合計350基。
そのうち333基が世帯別トイレ、17基がバリアフリー型世帯別トイレです。
また、新型コロナウイルス対策の手洗い啓発をはじめとした衛生啓発活動は当初の目標よりも56%多く実施することができました。
ADRA Japanは引き続きクレ難民キャンプで、2021年8月17日から南スーダン難民への新たな水衛生事業の活動を始めています。
この事業では、難民の能力向上により焦点を当てています。
これまでの事業では、トイレ建設への難民参加は部分的でしたが、今回はADRA Japanが確立してきた難民キャンプでのトイレ建設の技術をまるごと難民に伝えていきます。
指導員によるサポートのもと、難民がすべての建設作業工程に参加することで、より一層の人材育成を行います。
また、トイレの仕様も変更し、住民の方が建てている住居と同じ土壁を採用するなど、可能な限り難民キャンプ内で調達できる資材を利用した世帯別トイレを導入する予定です。
これにより、事業終了後も難民自身が建てたトイレをメンテナンスできるようになります。
ほかにも、クレ難民キャンプ内の小学校5校(うち1校は中学校と合同)にある水衛生クラブの活動支援および手洗い場の整備を計画しています。
新型コロナウイルスの感染者はキャンプ内でも確認されており、キャンプ人口の約30%を占める子どもたちが集まる学校の
感染症対策は不可欠です。
今現在の学校内の手洗い場は標準とされる数を満たしていないため、子どもたちが水衛生について必要な知識を得て、より安全に学校に通えるよう支援していきます。
また、前事業に引き続き衛生啓発活動や難民自身が水衛生啓発を行う自治組織の体制支援、難民が自力で入手できる代替衛生用品(石鹸の代わりに灰など)を普及する活動支援にも力を入れ、人材育成や難民組織の体制強化のほか、身近な物資の利用に重点を置いた内容で事業を進めていきます。
現在のエチオピアは、治安が悪化しており、支援団体が難民キャンプに行くことは以前より難しくなっています。
しかし、治安の状況を見ながら、引き続き情報収集に努め、関係団体と連携しつつ、十分に治安に注意して活動を進めていきます。
今後とも皆さまからの温かいご支援をよろしくお願いします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
*本事業は皆さまからのご支援とジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。
(執筆:エチオピア事業 現地事業統括:辻本俊平)