ADRAの特色を表す言葉として、力強さ、頑丈であること、グローバルさ、思いやりの深さ、キリスト教精神、希望、実用度、個人の意志、真剣さ、などがリストアップされます。いつの頃からか、世界約120か国に支部を持つ私たちの団体は、グリーンが組織のカラーとなりました。
2024年3月3日に世界中から3万6965 名が集った東京マラソン。ADRA Japanは、初めての試みとして、チャリティ寄付先団体として参加しました。
42.195kmを走り、健康的な汗を流した人々がいる反面、世界中には、そうした余裕がなく、日々の食事さえ事欠く方々の存在があります。ADRA Japanが、“走れる幸せを誰かの幸せにつなげよう”とチャリティに名乗りを挙げると、世界各地から30 名のランナーが私たちの呼びかけに応じてくれました。「東京マラソン2025チャリティ」にも寄付先団体として参加します。
2024年度、私たちは、30名のチャリティランナーに、記念品としてオリジナルTシャツをプレゼントしました。
ADRAのカラーであるグリーンをベースに、胸に白で団体名を、背中には毛筆体で「完走」と記しました。そのデザインは、NBAの強豪、ボストン・セルティックスの練習着っぽくしました。ADRA Japanには、バスケに青春を捧げたメンバー、そしてNBAファンが何名かいるのです。
ランナーやそのご家族にTシャツを配付して以来、自然と今季のボストン・セルティックスを応援してきましたが、アメリカ時間の6月18日、ダラス・マーベリックスを106-88で下し、ファイナルにおける4勝目を挙げたセルティックスが、16年ぶりに優勝を遂げました。セルティックスがチャンピオンとなるのは通算18回目で、NBA最多Vを誇ります。ADRAスタッフ陣も、勝利に胸を熱くさせました。
今、NBAでスーパースターの座に就いている多くは黒人選手です。セルティックスが、1959年から8年連続優勝を達成した時の主力、故ビル・ラッセルは、肌の色に起因するいわれなき差別との戦いを余儀なくされました。どんなにハイレベルなプレーを披露しても、ホームアリーナの観客から、あるいはアウェイのファンから卑劣な言葉を投げかけられました。強盗に入られた折には、獲得したトロフィーを粉々にされ、ベッドの上に排便されるという屈辱にも耐えねばなりませんでした。
ADRA Japanは、世界各地において今なお著しく損なわれている人間としての尊厳の回復と維持の実現を活動のミッションとしています。セルティックスの優勝、そして私たちが作ったTシャツを手に、改めて団体カラーの意味を自身に問いかけています。