「スーパーボウル」
毎年、米国民が心の底から楽しみにしているのが、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)と呼ばれるアメリカンフットボールのチャンピオンを決める大一番です。
この、NFLの決勝を「スーパーボウル」と呼び、例年、2億人の視聴者が固唾をのんで見守ります。
今年はネバダ州ラスベガスで、2月11日にスーパーボウルが催されました。
会場となったアレジアント・スタジアムは6万5000人を収容しますが、およそ45万人が当地を訪れ、盛大なパーティーやパブリック・ビューイングなどで、大イベントを楽しみました。
スーパーボウルが行われた週末に、観光客がラスベガスに落とした金額の総計は、11億ドルに達すると報じられています。
ADRAは、このような大イベントの最中に、人身売買が急増するという情報をつかんでいました。
アリゾナ州で開催された、昨年(2023年)の「スーパーボウル」、および2019年の男子バスケットボール大学選手権準決勝・決勝の期間中に、おとり捜査による逮捕者が出たこと、また、未成年者を含む28名の人身売買被害者が解放されたことに注目していました。
さらには、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)の創設者が、2022年から性的人身売買捜査の対象となっていることについても問題視しています。
人身売買とは、暴力、詐欺、強制で他者を搾取する犯罪です。被害者は物のように売られ、買われ、取引されます。
今、世界中で2,700万人以上が強制労働の餌食となっており、65%以上が女性という現実があります。女性被害者の90%は性的な労働を強いられています。人身売買事件全体の3分の1以上が未成年者です。
迫害や紛争から逃れてきた人々は、特に人身売買の被害に遭いやすくなっています。また、児童の人身売買被害者の半数以上が肉親や友人によって勧誘されています。
地球上で、毎日のように人身売買が行われていることを忘れてはなりません。ADRA は、非人道的な犯罪を抑止する意識を高め、予防プログラムを実施し、生存者を支援することを使命だと考えています。
昨年、およそ10億人の子どもたちが身体的、性的、精神的な暴力や育児放棄を経験しました。世界約120か国に支部を持つADRAは、子どもたちを虐待や搾取から守るために活動しています。
タイにおける私たちのプロジェクトを「Keep Girls Safe(少女たちを安全に保つ)」と名付けました。
政府機関、地元のNGO団体、コミュニティグループと協力して、女児が被害者になる前に手を差し伸べ、安全な場所を確保して学校に通わせるなど、持続可能な力を養うように取り組んでいます。もちろん、不安を取り除くよう努めています。
是非、世界中の子どもたちが安全で、喜びに満ちた生活を送れるよう、ADRAにご協力ください。
皆さまの温かいご支援をお待ちしています。
※以下の短編動画は、Keep Girls Safe プロジェクトに参加した アピニャ(Apinya)と少女たちの実話から着想を得てADRAが制作しました。人身売買とADRAの活動について知ってください。