【能登半島地震被災者支援第19報】11月中旬、わくらコミュニティセンターまつりに参加しました

いつも温かいご支援をありがとうございます。

ADRA Japanは、穴水町と七尾市、輪島市での活動を継続中です。今回訪れた七尾市の和倉地区は、2024年1月から足湯やカフェなどの活動を続けている地域です。

11月17日、朝から雨が降ったりやんだり。

能登の冬は、1日の中で雪が降り、雨が降り、中々晴れる日がないのですが、この日の天候は冬の気配を感じさせました。

お祭りの準備のため、オープンの2時間半前に到着しましたが、既に大勢の方がテントの設営や屋台の準備をされており、まだお客さんが来場していないにも関わらずとても活気にあふれていました。運営側のスタッフも慌ただしく動き回る中、どこか嬉しそうに作業を進めています。

オープン時間が近づくにつれて、住民の方々が続々と集まってきます。

11時。会場には、100人以上の方が集まっていたでしょうか。

大きな太鼓の音が、お祭りの開始を知らせます。

和倉いでゆ太鼓様による演奏に、皆さますっかり見とれていました。

こちらは、東京からお祭りに合わせて来てくださった飲食店です。マグロの解体ショーを行っています。皆さま、真剣な表情でマグロを見つめています。

ひとしきり解体し終わった後は、来場者にお刺身が振舞われました。

その他にも、中学生による琴の演奏、こども園の演舞、書道や絵画、切り絵や手芸の展示、焼き芋やわたあめ、子ども用のくじなど、盛り沢山な内容でした。

お祭りで、ADRAはカフェを提供しました。

こちらのコミュニティセンターでは毎月カフェを行っているので、いつもの常連さんが、

「おはよう、今日も来てくれたんだ」

「私コーヒーね。いつもの3点セット」

などと沢山の方が挨拶に来てくださいます。しかし、この日は久しぶりにお見掛けした方も大勢いらっしゃいました。約8か月ぶりでしょうか。まだこの地域が断水していた時以来です。

「1月にも来てくれとったね。あの時は救われたー。コーヒーがね、あたたかったよ」

「アドラさん、久しぶりだわ。あら、毎月来てたのね。前はバスでね。外は寒かったけど(バスの中は)温かかったわ。水が出なくて大変だったけど、もう一年経つのね」

「まだ来てくれとったん。みんな珠洲とか輪島にいっちゃうね。それもわかるけど、ここを忘れてなくてよかった」

いらっしゃった皆さまが思い思いに、当時を振り返り語ってくださいます。

発災からしばらく経ったからこそ、話せるようになることがあります。

最初にお会いした時は、初めての災害で表情から疲れが見えましたが、今では笑顔を取り戻し、元の生活に戻ろうと一歩ずつ前へ歩みを進めています。

しかし、全員がそのように区切りをつける事ができるようになったわけではありません。

まだまだ、サポートを必要とされている方もいらっしゃいます。

ADRAにできることは限られていますが、これからも地域の人々に寄り添い、和倉地区での活動を続けてまいります。

この日も、皆さまからの温かいご支援のもと、活動を行うことができました。

心から感謝申し上げます。

(執筆:国内事業課 三牧晋之介)

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