いつも温かいご支援をありがとうございます。
能登半島地震の発災から、8か月が経とうとしています。
ADRA Japanは、穴水町と七尾市での支援活動を継続中です。七尾市では、1月から避難所のへの物資提供等を開始し、現在も和倉地区で移動カフェや足湯などに取り組んでいます。
今回は、8月10日に和倉コミュニティセンターで行われた「夏休みわくら縁日」のご報告です。
「夏休みわくら縁日」は、今年で4回目の開催であり、地元にすっかり定着したお祭りです。
当日、いつもよりたくさんのボランティアさんと一緒に会場へ伺うと、開始まで1時間以上あるにも関わらず、外で待っている子どもたちがいました。
皆さんがお祭りを楽しみにされている様子が、表情から伝わってきます。
ADRAが担当した縁日は、カフェコーナー・金魚(おもちゃ)とアクリル宝石すくい・型抜き・お土産コーナーです。
そのほかにも、フランクフルト・わたがし・かき氷・ヨーヨー釣り・スライム作り・ラバランプ作り・べっこうあめ作りなど、多くの出し物があり、心が温まる一日でした。
子どもばかりではなく地元の方も大勢いらしており、地域に根差し、参加者が笑顔になるような素晴らしいイベントだと感じました。
大人に一番人気があったのは、カフェコーナーです。いつもはコーヒーが一番の人気ですが、この日は違いました。
皆さんが手を伸ばしたのは、和倉地区の特産品「わくラムネ」です。
能登海洋深層水を配合した、ほんのり塩味のするラムネで、パッケージには、和倉温泉のマスコットキャラクターである「わくたまくん」が描かれています。
以前、給水所で移動カフェをした際に「わくたまくん」が遊びに来てくれた事を思い出します。
「わー、わくたまくん。やっぱり夏のお祭りにはラムネだよね。うん、おいしい。」
「子どもの時は、中のビー玉を取り出すのが楽しくって。今の子もおんなじ事してるの見るとほほえましいね。」
「こぼさずに開けるのがね。ちょっとコツがいるよね。うふふ、こぼしちゃった。」
といった声が聞かれ、大人の方々も思い思いに楽しまれていました。
子どもたちはどのコーナーにも楽しそうに参加していました。
ADRAが用意した中では、型抜きが一番人気で、途中からは、10名以上の方が順番待ちの列を作っていました。
初めて型抜きを見た子もおり、「どうやるの?」と、親御さんやボランティアさんと一緒に挑戦する場面も見られました。
金魚すくいはみんな慣れたものです。
小学生の男の子は、
「金魚10匹以上一人で取れるよ。見ていて。」
と、上手にすくう様子を見せてくれました。 中には、金魚をすくうポイが破けても粘り続ける子も…
お祭りの運営には、私たちのようなNPOやコミュニティセンターの職員だけではなく、地元の方が大勢参加されていました。
「震災で沢山のボランティアさんに来てもらって、自分でも何かしたいなって。」
「ずっとここで生きてきたからね。もっと盛り上げていかんと。」
など、様々な想いを抱えていらっしゃいました。
1月から活動を続けてきて、和倉地区は特に地元の結束力が強い地域だと感じます。
避難所が立ち上がり、多くの方がその場所で暮らしていた時期も、地域の方々同士で協力し合って生活していました。
とはいえ、和倉温泉の旅館の再開やお家の片付けがまだ終わっていないご家庭など、問題はたくさん残っています。山積しています。それでも地域の方々は前を向いて復興への歩みを進めています。ADRAにできることは限られていますが、これからも和倉地区の人々に寄り添って活動して参ります。 「夏休みわくら縁日」は、子どもたちや地元の方の笑顔が溢れる素敵なお祭りでした。皆
さまの温かいご支援の下、お手伝いできたことを心から嬉しく思います。来場された方の心に、ひと夏の良い思い出として残っていたら幸いです。
(執筆:国内事業課 三牧晋之介)