240万人以上が被災し壊滅的被害がでているフィリピン。復興への道のりに乗り出したNGOがまずは現金給付で生活再建をサポート
国際NGOアドラ(ADRA: Adventist Development &Relief Agency 本部:アメリカ・メリーランド州、以下アドラ)は、アドラ・フィリピン支部(ADRA Philippines、以下、フィリピン支部)を中心に、台風22号(ライ/フィリピン名:オデット)の被災者支援を開始。壊滅的被害がでている被災地で精力的に活動している。12月20日にはミンダナオ島北東部にあるスリガオ市の被災状況を調査し、家屋が全壊の被害を受けた850世帯に1週間分の生活費にあたる1500ペソ(約3,400円)を配付した。
2021年12月16日から17日にかけて、920hPa前後の強い勢力で台風22号(ライ/フィリピン名:オデット)がフィリピンの中心地域を横断、レイテ島、ボホール島、セブ島、ミンダナオ島、パラワン島などに上陸を繰り返して多くの地域に甚大な被害をもたらしました。
停電や通信網の遮断により、台風被害の全容を把握するのに時間がかかっていますが、徐々に全容が明らかになってきており、2021年12月20日の時点では被災世帯45万、被災者数180万人超と把握されていた数字は、21日18時には、被災世帯数は604,322世帯に、被災者数は2,415,513人に膨れ上がっています。
フィリピン支部の代表を務めるトム・ピニョンは、「複数の地域で、予想をはるかに超える被害が出ており、今こそ団結して助け合わなかればならないと強く感じています。この台風被害の中、多くの人々が生き延び、癒され、そして数日後に迫ったクリスマスの季節に少しでも安らぎを得られるよう、私たちは戦っています。私たちは被災した人々を救うために活動をしていますが、私たちだけで成し遂げられることではありません」と支援を呼び掛けています。
アドラはネットワーク全体で緊急時に活用できる緊急資金を常に確保しています。今回もこの資金を活用することでフィリピン支部は台風前日より緊急支援体制をとり、迅速な調査と支援活動を開始することができています。
ボランティアの協力を得て行った調査では、フィリピン・スリガオ市内のあるバランガイ(フィリピンの最小自治単位、日本の村・地区などにあたる)では全898世帯のうち808世帯が全壊、90世帯が半壊、全壊した小学校が1つ、半壊の小学校が3つなど、9割の家が全壊という壊滅的な状態であることが明らかになりました。現地では、マーケットは再開しつつあるもののの、被災してすべてを失ってしまった人々は、水・食料、シェルター、衛生用品等、あらゆるものを必要としています。各世帯において緊急性の高いものを迅速に手に入れてもらうために、今回は現金給付の形で支援を届けました。
スリガオ市周辺ではアドラのほかにフィリピン国内の人道支援団体が集まりつつある状況を確認することもできたため、アドラは被害が甚大でまだ支援団体が入れていないビサヤ地域(レイテ島、セブ島、ネグロス島、ボホール島)に焦点を移し、まずは、レイテ島南部とネグロス島に対して緊急支援チームを派遣することを決めました。
アドラ・ジャパンは、フィリピンで繰り返されている台風被災者支援に15年前から取り組んできた実績があり、今回も、現地の人々に寄り添った支援を届ける活動資金を確保するため、フィリピン台風22号被災者支援のための緊急募金特設サイト(https://www.adrajpn.org/Emergency/Philippines2021/Philippines2021.html?Prt)を立ち上げ、日本国内での募金活動を開始しています。
フィリピン台風で被災した方々が今を生き抜き、癒され、そしてクリスマスの時期に少しでも希望を取り戻せるよう、あたたかいご支援をお待ちしております。
フィリピン台風22号被災者支援のための緊急募金特設サイトはこちら
https://www.adrajpn.org/Emergency/Philippines2021/Philippines2021.html?Prt
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