いつも皆さまからの温かいご支援をありがとうございます。
昨年11月に発生した西ネパールのジャジャルコットを震源とするマグニチュード6.4の地震では、約62,000棟の家屋が一部損壊、または全壊したと報告されており、医療機関も20施設以上が倒壊したと言われています。
現地では地震で倒壊した医療施設の修復と保健衛生サービスの回復を求める声が多く上がっていました。そこで、ジャジャルコットで緊急支援活動をしているADRAは、「医療キャンプ」を実施することにしました。
「医療キャンプ」とは、各地域で2日間にわたる医療サービスを提供する期間限定のクリニックです。「一般健康診断」「女性に対する医療」「家族計画」の3つの分野を中心とした保健衛生サービスの提供を目的としています。例えば、一般健康診断では、老若男女が受診し、長い外での生活による健康不良のケアを行うなどしています。
医療キャンプは、まず被災地の中でも状況の厳しいナルガット自治体に2箇所開設されました。この地域は、長いあいだ専門性の高い医師や女性の診断ができる婦人科医が不在だったため、数百人もの女性がこの地での保健医療サービスを切望していました。実際に、医療キャンプでのサービスを求めて、わざわざ2-3時間かけて歩いてきた人もいたほど、人々のニーズは高いものでした。
医療キャンプには、900人以上の女性が診察を受けに訪れ、その多くが一般健康診断を受診していました。さらに、家族計画のカウンセリングには203人、骨盤臓器脱検診に251人、子宮頸がん検診には125人もの人が参加しました。
この他、心理社会的カウンセリングも行われました。今回、診療を受けた方の中には手術を勧められた数人の患者さんもいたので、ADRAでは費用の負担や支援をすることにしています。
ADRA Nepal(ネパール支部)で災害リスク管理コーディネーターとして活動にあたっているスマン・ラワル氏は次のように話しています。
「以前、緊急用のシェルターや防寒キットの支援をした被災地で、医療キャンプにも力を入れたサービスを提供できるようになったのは素晴らしいことです。同時に、市長や自治体と話す中で、私たちはコミュニティが直面している被災者の生計回復や長期化する避難生活における健康問題など、新たな課題について知ることもできました。被災した多くの人々は長期化した避難生活に苦しみ、さらなる貧困の状況に直面しています」
ADRAでは、これから数ヶ月にわたり、他の被災地でも医療キャンプに取り組んでまいります。そして、被災地での新たな課題についても、支援を検討していく予定です。
引き続き、皆さまからの温かいご支援をよろしくお願いいたします。