新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け危機的な状況にある、ネパールでの対策事業にご支援をお願いいたします。
世界中で感染が広がっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特に保健医療システムが整備されていない貧困諸国においては、壊滅的な被害をもたらすだろうと予測されています。
私たちADRAが事業を行っているネパール連邦民主共和国も医療体制が整っておらず危機的な状況に置かれています。
現在確認できている感染者数は少ないものの、ネパール国内で新型コロナウイルスの感染検査ができる場所は首都カトマンズにある1施設だけ。感染症に対応できるだけの医療体制が整っているとはいえません。国全体の感染状況が把握できないうえに、拡大してしまうとネパールの医療システムが崩壊する恐れがあります。
ADRA Japanは1989年からネパールで形成外科医療チーム派遣事業やお産センターの建設などさまざまな支援活動を実施してきました。現在は、ネパール西部のバンケ郡で新生児・小児保健環境の改善事業を行っています。
バンケ郡には約56万人が住んでいます。医療インフラや物資の不足はもちろん、基本的な感染防止行為である手洗いやうがい、咳(せき)エチケットなどの普及が不十分で、郡全体が感染リスクの高い地域です。
郡には48カ所の公立保健医療施設(ヘルスポスト)がありますが、設備・物資ともに十分とはいえず、保健医療施設にもかかわらず手洗い用の石鹸(せっけん)さえ足りていません。バンケ郡の中心にある州病院であっても、保健医療従事者らに必要な防護服が不足しており、大きな袋をかぶって代用しています。