ハロウィンに伝える世界の子どもたちの話

 みなさん、こんにちは!

 今回のブログでは、ADRAスタッフが日常を過ごす中で感じたことをつづる「スタッフのつぶやき」をお届けします。

「ママー、見て―!かぼちゃー!!」

 保育園に迎えに行くと、折り紙で作った可愛いアイスクリームが張り付けられ、ピンクの花がいくつも描かれた、黄色いごみ袋をすっぽり被った娘が飛び出してきた。

 そうか、もうすぐハロウィンだ。

 「今日はこれ着て帰る」と言い張る娘を抱っこして、ここ最近急に冷たくなった風に首をすくめる。去年シマウマになった息子は今年、何になるのだろうと想像し、家路を急ぐ。

 毎年、母が開催する、英語教室のハロウィンパーティーに参加させてもらっている。当日の夕飯は持ち寄りにしており、母はサンクスギビング先取りでターキーを焼き、教室の生徒と保護者たちに振る舞う。ターキーが食卓に並ぶようになると、寒さの訪れとともに、もうそんな季節が来たのかと気づかされる。

 ハロウィンパーティーでは子どもたちが本の朗読やスキット、歌を発表し、各部屋を回りながらお菓子をもらう。普段ジャンクなお菓子を制限している我が子たちも、この日は解禁だ。ネコ、プリンセス、魔女やカボチャになり切ってお菓子をたくさん食べられるこの日は格別だろう。

 いつもハロウィンパーティーの最後に少し時間をもらい、私から世界の子どもたちの話をさせてもらう。今この瞬間も、雨風を十分に遮る家がなく、テントで暮らす子どもたちがいること。お菓子どころか今日この特別な日にも、三食を満足に食べられない子どもたちがいること。好きな衣装に身を包むどころか、毎日着る洋服も満足にない子どもたちがいること。

 日本のテレビニュースでは決して扱わないネパールの子どもたち、アフガニスタンの子どもたちの現状を知る小・中学生は少ないだろう。一年に一度、この時間だけでもいい。世界に目を向けてほしい。家があること、ご飯をお腹いっぱい食べられること、喉が渇いたときに水を飲めること、家族がいること、そういうことが決して当たり前ではないということを知ってほしく、私が関わっている国の子どもたちの現状を紹介する。そして誰にでも当たり前ではないからこそ、楽しめる子どもたちにはその日を思いっきり満喫してほしい。

 今、アフガニスタンでは、女の子たちが自由に外を歩くこともままならない。大きな声で話したり歌ったり踊ったりすることもできない。彼女たちが好きな服を着て、外に出て、自由に自分を表現できる日が来ることを想像する。そんな想像が夢ではなくなる日がいつか来るはずと、たとえアフガニスタンの子どもたちが想像できなくても、少なくとも私は信じていたい。

 (執筆:アフガニスタン担当 堀    真希子)

 最後までお読みいただきありがとうございました!

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