存在さえ知られていない被災者のもとへ 3,000人以上に物資提供【モロッコ地震被災地支援】

【モロッコで物資を配付した現場から】

9月8日にモロッコ中部を襲ったマグニチュード6.8の地震発生からまもなく1カ月となります。ADRAはスタッフを現地に飛ばし、9月29日までに、家々が倒壊した山あいの被災地域で、3,181名の方々に支援物資を届けることができました。

ADRAのモロッコ地震被災者支援に約10日に渡って携わったボランティアの一人は、その体験を次のように語りました。

現地を調査するADRAスタッフ(9月13日)

「支援を必要としているコミュニティーの役に立つ活動ができたことを嬉しく思っています。

最初に被災された方々の状態と、彼らが必要としているものを目にしたとき、いったいどうすれば、たったの数人で彼らを助けることができるのだろうと、途方に暮れる想いがしました。目に入るほとんどすべての家が壊れ、出会う人々はみな、将来どうなるかわからないまま、テントで避難生活を送っていました。

私たちが配付できた緊急支援物資は限られたものだったにもかかわらず、人々は、とても大きな感謝の気持ちを伝えてきてくれました。

ADRAが支援に回った地域の中には、他の支援が一切はいっていないところもありました。そこでは、複数の人が『私たちは都市部から遠く離れて住んでいるため、誰も自分たちのことを気にかけてくれないし、存在さえ知られていない』と言うのを聞きました。

そのように感じていた人々のもとに、彼らが一生忘れないであろう支援を届けられたことは、私にとって大きな恵みでした。

ADRAが用意した緊急支援物資(9月20日)

今回、被害にあわれた方々が家を再建し、通常の生活に戻るまでには長い時間が必要となります。

今日も、20年コツコツとお金をためてやっと建てた家が壊れ、振り出しに戻ってしまった言う方が複数いることを知りました。

これからも彼らのために祈りつづけ、ADRAや地元の団体との協力を通して、私自身が提供できるものを差し出し、助けることができたらと考えています」(匿名希望ボランティア、9月21日)

災害は今、モロッコだけではありません。このようなとき、特に危機にさらされるのは、支援からもっとも遠い人々です。被災された方たちが、少しでも早く元の生活を取り戻せるよう、ADRAは動き続けます。引き続き、皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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