14歳のマダガスカル人少女の夢

アフリカ大陸南東の海岸から東へおよそ400キロメートル。2,881万強が住むマダガスカル共和国は、『Global Finance』が2024年5月6日に発表したデータで、世界で9番目に貧しい国とされています。

マダガスカルは、1960年にフランスから独立して以来、政情不安、暴力によるクーデター、政権争いなど深刻な問題を抱えています。新型コロナウイルス感染拡大による影響で経済的ダメージを受け、2022年にロシアの侵攻を受けたウクライナからの穀物供給が途絶えると、食料価格が急騰しました。

また、干ばつ、洪水、サイクロンにより生命の危険が脅かされ、家屋、インフラ、作物が被害を受けました。避難民も発生しています。

タヴィと呼ばれる伝統的な農業技術も継続的に森林を破壊しています。マダガスカルで行われているこの方法は、自然地域を焼き払って畑に変え、作物を育てた後に、10 年間休耕します。

長いサイクルで考えれば、この方法は自給自足農業にとって効率的、かつ生産的ですが、現在は人口増加の圧力により、農家はサイクルを短縮。標高の高い急斜面で用いるタヴィは収穫量が少なく、土壌の劣化と浸食も深刻です。雑草や外来種がすぐに繁殖することも、マダガスカル国民を苦しめています。

そんなマダガスカルに生きる14歳の少女、ダレファソアは、困難に直面しながらも教師になることを諦めていません。5人きょうだいのうち、学校に通っているのは彼女と妹だけです。ダレファソアは、両親の農作業や家事を手伝うために授業を欠席することもよくあります。

ですがADRAの学校給食支援により、生活改善の兆しが見えてきました。同プログラムは、子どもたちが1日に1度は栄養のある食事を受けられる状況を整え、出席率を向上させながら学業をサポートするものです。

これにより、彼女の家族は少しずつ経済的な負担を減らすことができました。この支援により、ダレファソアは安定した栄養を得ることができ、学校に通う機会が増えています。さらに、栄養状態の改善によって集中力も向上し、学業にも良い影響を与えています。

今日、学校給食委員会の会長を務めるダレファソアの父親は、地域に住むすべての子どもたちが教育と栄養を得られるように働きかけています。

十分な食事を施すことで、ダレファソアのような子どもたちは学業に集中し、より明るい未来を築くことができると、ADRAは信じています。皆様の温かいご支援を、よろしくお願いいたします。

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