およそ11万2,000平方キロメートル強の地で、946万人あまりが暮らす中米の国、ホンジュラス。
この国は、2023年6月のデータで、極度の貧困状態にある人々の割合が人口の約半分である46.7パーセントに達しています。特に、農村部ではこの割合が高く、多くの人々が貧困に苦しんでいるのが現状です。
せっかく育てた農作物や、国民の生命線となるインフラに計り知れない打撃をもたらすのが、ハリケーン、干ばつ、熱帯暴風雨、洪水、地滑りなどの自然災害です。ホンジュラスは、気候の変動に大きく左右されます。
1998年、ハリケーン・ミッチが同国の作物とインフラの推定70パーセントを破壊し、1万人以上の命を奪いました。損害額は30億ドルに上り、ホンジュラスの開発プロセスを大幅に後退させています。
ホンジュラスは国民の50パーセントが農業に従事しており、農村貧困層は雨水を利用した天水農業を行っています。天水農家は、中米の乾燥回廊として知られる同国の南部および西部地域に集中しており、食糧難に直面しやすい状況です。
一方、都市部では、農村部からの移住者と人口の増加により、水管理システムが欠落した地帯が居住地となり、洪水や水不足に悩まされる現実があります。
そこでADRAは、若者の経済的安定を目指し、デジタル技能を身につけさせるワークショップを始めました。参加者は、長期にわたる干ばつと、それに続く季節外れの雨により作物が壊滅している現状を把握し、伝統的な農業を続けていくことの難しさを感じていました。
しかし、プロジェクトで技術を学んだアレハンドロは、「このワークショップがあれば、家族を経済的に助けることができます」と語り、確かな希望を感じているようでした。アレハンドロのような若者が、デジタル技能を駆使し、ホンジュラスの変革の可能性を見出すことをADRAは願っています。
デジタル技能の強化は、「貧困国」とされる国々や若い女性の間で必須とされています。ADRAは、若い世代が目の前にある課題を克服するために、このプロジェクトを今後も進めます。
若者の可能性を信じる皆さん、今後も温かいご支援を、よろしくお願いいたします。