ホンジュラス女性の笑顔

中米に位置し、11万2,000平方キロメートル強に、およそ946万人が暮らすホンジュラス。この国も、新型コロナウイルスの影響を受け、政治的衝突、紛争、気候変動などによる避難や移住を余儀なくされた人々がいます。

同時に、この国が抱える極度の脆弱性があらわになりました。公式推計によると、今日、人口の 59 パーセント以上が貧困、32 パーセント以上が“極度の貧困”の中で暮らしており、その大多数は女性です。

イングリッド・フローレスさんは、そんなホンジュラスの乾燥地帯の片隅で、母親と幼い息子とともに暮らしています。

彼女は何年もの間、夫の暴力に耐えていました。ある時、自分の世話よりも、病気の息子の看病を優先した彼女を夫が殴り、床に倒れたままの状態が続きました。そんな様子を目にした息子は、その後「パパがママを殺すのを見た」と発言しています。

フローレスさんは、夫との生活に終止符をうつ日が訪れたことを理解したのですが、どこへ行って、どうやって息子を育てればいいのか? という現実に直面します。やがて、彼女の兄が母親と息子を引き取ることで、フローレスさんは会計士の資格取得に向けた学習を始めることができました。

しかし、フローレスさんを支えたお兄さんが新型コロナウイルスに感染して亡くなり、彼女は息子と母親を支えることができなくなってしまいます。彼女の母親が、フローレスさんの近所に引っ越してきて、できる限り娘と孫を支えました。

その後、フローレスさんは、ADRAの食料安全保障及び、生計向上プログラムの後押しを受け、「人生を変えることができた」と話しています。

ADRAは米国国際開発庁(USAID)と手を結び、ホンジュラス内に自給自足を促し、農業強化プログラムを開始しました。フローレスさんのような母親たちは、差し迫った困難を乗り越えるために、毎月の現金クーポンを受け取ります。

ADRAはホンジュラス国民に行き届いた栄養を提供し、庭園で穀物を育てる方法を伝え、それを市場で売ることで収入を得られるよう、働きかけています。

フローレスさんは、「息子はカボチャの蜂蜜煮が大好きです。彼の好きなカボチャを食べさせて、市場では、いくつかを売ることができます。お陰様で、息子は健康に強く育っています」と微笑みを浮かべながら語りました。

とはいえ私たちは、微笑みの裏にある、彼女の悲しみを垣間見たように感じました。

世界120か国に支部を持つADSRAは、「ひとつの命から世界を変える」をモットーに、一人ひとりに寄り添う活動を目指しています。

それには、皆様の温かいご支援が欠かせません。

引き続き、よろしくお願いいたします。

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