こんにちは。
事業部の細見真菜です。
ADRAは、これからの未来を担っていく子どもたちと一緒に学ぶ機会を大切にしています。
11月に入り、ADRAの事務所に2組の来客がありましたので、その時の様子をご紹介いたします。
はじめは横浜三育小学校の6年生のみなさんです。
子どもたちは、少し緊張した面持ちで部屋に入ってきました。
まずは、ラオスに駐在経験のあるスタッフから、現地での生活についての話から始まり、子どもたちも興味津々に耳を傾けています。
「ラオスでは、ある食べ物がよく食べられていますが、何だと思いますか?日本ではあまり食べていないものです。」
「答えは、昆虫です」
「昆虫」と答えを聞いて、子どもたちは驚きの表情を隠せませんでした。
私たちが生活する日本の食文化との違いに、子どもたちは昆虫食に関する多くの質問をしてくれました。
「食べたことありますか?」
「どの虫が一番おいしかったですか?」などなどです。
次に、ラオスの社会問題について説明が入ります。
豊な自然と豊富な食糧収穫がある一方で、災害の影響や病気になることで貧困状態に陥りやすい問題があり、その社会問題を改善するために農業技術や水路の建設の支援をしてきたことを話しました。
ラオス駐在経験があるスタッフからの話が終わると、子どもたちより、学校で集めてくれた寄付金と自分たちで書いた手紙を「ウクライナの方たちのために」と、手渡してくれました。
これは、9月にADRA Japanの事務局長が横浜三育小学校で実施した出張授業で、ウクライナの人々が戦争により、平穏な暮らしを追われ、国内外で避難生活を送っていることを説明したことがきっかけになったのでしょう。
ちょうど、11月にウクライナ隣国のスロバキアに行く予定のスタッフがいたので、
「スロバキアに避難してきたウクライナの人たちに、きちんと私の手で渡してきますね」という声に、子どもたちもにこやかな表情を見せてくれました。 翌週、高知商業高校のみなさんが修学旅行のプログラムの一環として、ADRAを訪問してく
れました。
高校生たちは、学校での難民に関する授業の中で、「南スーダン内戦における難民への影響について」や「私たちにできる支援や活動」について、学びを深めたいという想いを抱いたそうです。そのため、修学旅行の研修プログラムとしてADRAに来てくださいました。
この時は、ちょうど一週間前に南スーダン難民支援も実施しているエチオピアから帰国したばかりのスタッフが担当しました。
「皆さんエチオピアって聞いて、どんなイメージを持っていますか?」
「コーヒー?」
「そうです、世界でコーヒーが最初に見つかったのはエチオピアなのです」
正解した生徒は少しうれしそうでした。
訪れた高校生たちは、スタッフによる現場での話を聞きながら、一生懸命メモを取っていきます。
「南スーダンでは、2011年にある出来事がありました。何があったか知っていますか?」
スタッフからの投げかけに、生徒たちから「災害?」「紛争?」「誰かが攻め込んできた?」のような回答がすぐさまありました。
「南スーダン人にとってうれしい出来事です」
とヒントを出すと、
すぐに「独立」という答えが挙がりました。
スタッフは続けて、独立後のわずか2年後の2013年、内部紛争が起き、それによって国を追われ難民キャンプに逃れてきた人々が多くいることや、その人々への支援として、ADRAは、難民キャンプで暮らす人々にトイレ建設や手洗いを促す衛生支援などの啓発活動に取り組んでいる事を伝えました。
「自分たちにできることはなんでしょうか」
話が進む中、生徒たちから質問が上がりました。
スタッフからは、世界で起きている紛争や自然災害により、助けを必要としている人々が多くの国でいることを「知る」大切さ、また難民の方たちの支援に向けた寄付を挙げました。
子どもたちが、世界で起きているさまざまな出来事について学ぶ機会は、人の成長として小さい一歩ではありますが、大きな前進です。
ADRAは、次世代を担う子どもたちの成長の糧となる学びの機会を提供すると共に、支援活動の意義や目標を見つめなおす時間として大切にしていきたいと思います。
(執筆:事業部 細見 真菜)