2022年11月21日に
インドネシア、西ジャワ州チアンジュール県で
発生したマグニチュード5.6の地震は、
300名以上の方の命を奪いました。
亡くなった人々のおよそ3分の1は、
倒壊した家屋や学校に閉じ込められていた
子どもたちです。
現在、少なくとも11万4千人以上が
避難生活を強いられています。
ADRAは、地震発生直後から被災地に
スタッフを送り、被災された方の声を聞き、
また関連機関との調整を進め、必要な支援に
取り組んできました。
家が全壊、もしくは半壊してしまった方々は、
なるべく家の近くで過ごすことを望んでいる方が
多かったため、
丈夫なビニールシートや釘、ハンマーなどを
セットにしたシェルターキットの配付を
優先的に進めてきました。
今回は、その活動で出会った方をご紹介します。
エナン・スティスナさん(49)さんは、
チアンジュール県の出身で、
45歳の妻と22歳、19歳、13歳の息子3人、
そして高齢の母親と一緒に暮らしていました。
日々の生活のため、
建設現場で働いて生計をたててきたエナンさんは、
今では熟練の大工です。
妻のイダさんは、村のヘルスケアセンターの
近くに食べ物の屋台を出し、
家計を支えていました。
地震が発生したとき、
エナンさんは友人と仕事をしていました。
揺れを感じてすぐ建物の外に飛び出し、
家族のもとに走りました。
幸いなことに、家族は全員無事でしたが、
彼らの家はかなりの被害を受けました。
余震も続き、建物のさらなる倒壊の危険もありました。
エナンさん一家は、
広いところに設置された簡易テントに、
何十人もの村人と一緒に避難しました。
ですが、そのテントはあちこち破れていて、
雨が降ると雨漏りで水浸しになってしまう状態でした。
そのため、エナンさんは、
家族が安心して過ごせる場所を必要としていました。
ADRAのシェルターキットを受け取ったエナンさんは、
家の近くに仮住まいの小屋を建て、
家族のための居場所を作れただけでなく、
倒壊した家から持ち出せた家財道具を
保管するスペースを作ることができました。
エナンさんは、
笑顔でわたしたちに感謝の気持ちを伝えてくれました。
「温かい支援に、心からお礼を言います。
この支援のおかげで、自分たちだけの住まいを建てることができました。
以前の避難所での生活よりも快適になりましたし、
特に高齢の母が過ごしやすそうにしているのをみて、
家族みんな、うれしく思っています。」
エナンさんの生活は、これからが復興の始まりです。
これから家を建て直し、
また家族そろって安心して暮らせるようにしたい
という想いが1日でも早く叶うよう願わずにはいられません。
インドネシア被災者支援のために
温かいご支援をお寄せいただき、
心より感謝申し上げます。
ADRAは現在、
Tポイントでも寄付できるYahoo!ネット募金に、
本活動のための寄付ページを立ち上げ、
ご支援を募っています。
皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。
“インドネシア地震被災者支援 Yahoo!ネット募金はこちら”
(文責:広報担当 永井温子)