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6月8日(木)、関東大震災から100年目を迎える今年「地域とわたしたち~関東大震災から100年の今、過去を知り、これからを考える」と題してオンラインイベントを開催しました。
イベント当日は、北海道から東北、東海、西日本などから70名以上のご参加がありました。3名のゲストの方のお話を通して、私たちが地域の一員として、あるいは個人として、今後、災害をどう捉え、日々どのようなことに取り組むかを考えられる時間となりました。
当日は、3名の登壇者をお迎えし、皆さまの専門分野からの研究や取り組みについて、事例を交え詳しくご説明をいただきました。
特別講話では、都立大学教授の市古先生(災害協働サポート東京代表理事)からは「関東大震災を振り返る」をテーマに、関東大震災に関する基礎知識や当時と今の地域社会の違いについてお話がありました。
関東大震災当時は今のように、国や自治体として災害時の支援方法が確立されておらず、市民同士で助け合うようにと通達が出された記録もあり、まさに「共助が支えた救済活動」だったようです。また、当時被災された方が、周りの方から受けた支援を記した100年前の資料もご紹介いただきました。
事例発表では、静岡県在住の 三品陽子様三品陽子様(袋井南部地域包括支援センター センター長)より、「日常が地域をつくる」をテーマに、令和4年台風15号によって多くの方が被災された静岡県袋井市の事例をご紹介いただきました。
災害前からあった地域の活動や、それらが発災時にどのように機能したのか、実際のグループラインでのやり取り画面なども共有していただきながら、わかりやすくお話いただきました。社会の高齢化が進む中で災害に備え、いざというときに助け合うためには、日頃からのご近所づきあいが力を発揮することが伝わるお話でした。
福島県在住の大澤和巳様(元高校教諭、ゲストハウスcocoda CEO、)からは、「全村避難を経て、今できること」をテーマに、東日本大震災という未曽有の災害から12年のうちに経験されてきたこと、考えてこられたことをお話いただきました。
地域に住まないまでも何らかの関わりを持つ「関係人口」を増やしていくことがこれからの復興のカギになるというお話と、実際に、毎年のように福島を訪れている東京の学生とのつながりをご紹介いただいたことに対して、参加者の中から、「自分も今学生です。私にも何かできることがあるでしょうか」とという積極的な質問もあがりました。
イベントにご参加いただきました方からは、「内容が盛りだくさんで、もっと聞いていたいお話ばかりでした」、「登壇された方お一人お一人の持ち時間がもう少し長くても良かったと思います。みなさん時間を気にされてお話をされていたので、もう少しじっくりお話を聴きたかったです」などの感想も多く寄せられ、スタッフ一同大きな手ごたえを感じることができました。
国内の災害に関わる専門家や地域での活動の実践者の皆さまのお話から、多くの学びがありました。
一人ひとりの防災力や災害対応力があがることは、それぞれみなさんが住んでいる地域の防災力・災害対応力のアップに直結します。
広範囲が被災し、日本全体で乗り越えていくことになるだろう大地震の発生リスクは日々高まっているのが現状です。また、各地で頻発している水害は、今後もまだ避けられない可能性が高いです。個人としても地域としても、備えていけるように、今回の講話や事例からの教訓をともに活かしてまいりましょう。
また次のイベントでお会いしましょう。
(執筆:マーケティングチーム 栗栖 一郎)