エチオピアで新しい支援活動がはじまりました!

メルサ国内避難民滞在施設

こんにちは!
いつもADRA Japanのブログをご覧くださりありがとうございます。
2023年もよろしくお願いします。

昨年も世界各地で紛争、戦争、自然災害が多発する目まぐるしい1年でした。

また、世界の難民・避難民など避難を強いられた人の数が1億人を超えるという衝撃的なニュースもありました 。

今年は、去年よりも少しでも多くの人が平穏に暮らせることを祈っております。

ADRA Japanは2022年11月30日よりエチオピアで新しい支援活動を開始しました。
今回はこちらについてご紹介します。

ADRAは、エチオピアでは1982年より活動をしています。

1985年にADRA Japanが設立され、日本から初めて支援を届けた先はエチオピア大飢饉の影響を受けた人々でした。

1990年以降、日本から支援を届ける関わりはありませんでしたが、2014年からは、隣国南スーダンからエチオピアに逃れてきた南スーダン難民が暮らすエチオピア西部ガンベラ州の難民キャンプにて水衛生支援に取り組んでいます。

今回の新しい支援活動はエチオピア北部のアムハラ州における紛争被災者支援です。

エチオピアでは2020年11月より連邦政府とティグライ人民解放戦線との間で戦闘が発生しました。

戦闘はエチオピア北部のティグライ州および周辺3州(アムハラ州、オロミア州、アファール州)で特に激しく、昨年の2022年11月に和平合意が締結されるまで甚大な被害をもたらしました。

多くの人々が死傷し、また家を追われ、難民や国内避難民となりました。

さらに、学校や医療機関、給水設備をはじめとするあらゆる生活インフラが破壊され、農業に必要な田畑や家畜も大きな被害を受けました。

このエチオピア北部の紛争の結果、2021年の1年間に国内避難民として移動を余儀なくされた人は510万人にものぼりました 。

その余波は今も続いており、現在2000万人が何らかの支援を必要としていると言われています。

これはエチオピア人の約5人にひとりの割合です。

この数は、ウクライナ危機により発生している難民・避難民よりも多い状況です。

メルサ国内避難民滞在施設

そこでADRA Japanでは、ティグライ州に隣接するアムハラ州北ウォロ県の3か所の地にて、紛争被災者支援としてニーズが高く、また前述のガンベラ州でも経験のある水衛生分野の支援活動を行います。

ここでは、以下の5つの活動を行います。

(1)戦闘によって破壊された給水設備の修繕
(2)戦闘によって破壊された学校のトイレの建設
(3)国内避難民のための簡易トイレの建設
(4)衛生習慣を改善するための衛生啓発活動の実施
(5)衛生物資(ポリタンク、洗面器、バケツ、石鹸、生理用ナプキン)の配付

さらに、地域住民が中心になって、修繕・建設した設備を維持・管理・修繕し、衛生啓発活動を継続できるようになるための研修も実施します。

戦闘の影響で使えなくなった修繕予定の井戸

エチオピア北部の紛争の影響を受けた地域では、コレラやマラリア、赤痢といった感染症が発生しています。

十分な医療へのアクセスがない人々にとっては、感染症の流行は命の危機に直結します。

給水設備、排泄設備の衛生設備の建設と修繕、そして衛生習慣の改善を促す物資配付や啓発支援によって、この地域の水・衛生環境の改善を目指し、感染症の蔓延を防ぎます。

ADRA Japanは、厳しい毎日を強いられながらも前を向き、生活を立て直そうとしている人々の一人ひとりに寄り添い、支援活動に取り組んでまいります。
皆さまの温かい支援と応援をよろしくお願いいたします。

*この事業は支援者の皆さまからの寄付金と、(特活)ジャパン・プラットフォームによる助成金とで実施しています。

(執筆:エチオピア事業担当 羽鳥憲伍)

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