ご飯を満足に食べられないミャンマーの現状
ミャンマーでは、2021年2月以降、国内で続いている戦闘は激化し、人々が生活してきた村々も戦火にのまれました。その影響により、2022年12月にはミャンマー国内の避難民の数は150万人を超え、2023年7月には190万人に達しました。2023年10月現在、その数は減っていません。満員の国立競技場を思い浮かべたときに、それを約30倍にしたのと同じだけの人が、家に帰ることができていない状態です。
特に、ミャンマー南東部のカレン州は、避難民の数が非常に多く、12万人以上の方が避難生活をしています(満員の国立競技場 2つ分)。カレン州の人々の多くは、もともとお米や野菜を作って生計を立てたり、作ったものを食べて生活していましたが、内戦によって、田や畑、住むところまで奪われ、身の危険にさらされるようになりました。安全な場所を求めて、川を渡り森の中を進み、長時間歩き続けた末、洞窟やシェルターに避難しています。
自然の中での避難生活は過酷で、以前のようにお米や野菜を育てることができないため、森の中で採れるわずかな食料しか口にすることができず、1杯のご飯さえ食べることが難しい状況にあります。
ADRAのこれまでの活動
私たちADRAは、情勢が悪化する以前からミャンマーで支援をしており、今回の内戦発生以降も支援を続けています。現地にあるADRA支部と連携を取りながら、被災者のニーズに沿った支援を心掛けています。
2022年の支援活動では、皆さまのご協力のおかげで、一世帯あたり、お米64kg、豆7kg、油3kg、塩1kgの食料と蚊帳を2つ、ジャングルの中での生活で屋根代わりになる防水シート1枚を計1,311世帯(約6,000人)に配付することができました。
また、ADRAでは、配付する食料の量だけでなく質にもこだわっており、避難民の方々が少しでも「おいしい」、「うれしい」と感じられる時間を作ることを目指しています。そのような瞬間が、長引く避難生活の支えとなるからです。実際に、食料を受け取った避難民の方からは、
こんなにおいしいお米を食べたのは久しぶりだ
またADRAから食料をもらいたい
食料支援のおかげで、卵などほかの食材を買うことができた
などという声を聞くことができました。
食がわずかでも満たされることは、身の安全のために故郷を離れ、避難し続ける人々にとって、とても大切な瞬間です。
最新の活動
支援の必要性と理由
現在、ミャンマーの国土全体が深刻な食料不足に悩まされています。ADRAが活動しているカレン州では、避難生活を続けている方が12万人まで増加しています。避難生活の中では安定した収入を得ることが出来ないうえに、紛争による行動制限が食料調達の壁となります。お米などの食料必需品の価格は2倍に上昇してしまい、さらに困難な状況に置かれています。
2022年は皆さまのご協力により、1,311世帯(約6,000人)に食料を配付することができました。2023年も、生き延びるために助けを必要としている方々に支援を届けたいと準備をしていますが、現在242世帯分(約1,210人分)の資金しか確保できていません。最低でも、追加で200世帯(約1000人)、合計442世帯(約2,210人)の避難民の方々を支援したいと考えているため、今回、皆さまからのご協力を募ります。
今回配付するお米の量は、1世帯あたり68kgを予定しています。また、生きていくために食料確保が最優先となる一方、長期化する避難生活の中で、避難民の方々の生活環境の問題も指摘されています。避難先では、手や体を洗うための石鹸や洗濯用の洗剤などが無く、さらに衛生的でない川の水などを使って生活をしています。また、一部の地域ではトイレがなく屋外排泄の習慣もあり、安全ではない方法で排泄物が処理されているため、様々な病気が蔓延する危険性があります。長期にわたる避難生活を健康的に過ごすために、食料確保とともに避難民の方々の保健・衛生に対する意識を高める働きかけをしたいと考えています。
今回の支援では、お米や豆などの食料に加え、汲んできた川の水を衛生的にする浄水タブレット、固形石鹸や洗濯用洗剤、生理用品など、衛生的な生活を送るための水衛生のキットの配付を予定しています。さらに、手洗いなどの衛生習慣に関するオリエンテーションなどの啓発活動も同時に行うことで、保健・衛生への意識を高め、避難民の方々の健康を支えたいと考えています。
寄付金の使い道
皆さまからいただいたご寄付は、ミャンマーのカレン州に居住する避難民の方々に対して、大切に活用させていただきます。
今回の支援では以下のような物資の配付を行う予定です。(1世帯5人・1か月分の食料)
ご寄付のお願い
この度は、ご寄付を検討していただき誠にありがとうございます。
合計 2,210人のミャンマーの方にお米と衛生用品の支援を届けるため、追加で300万円のご寄付を必要としています。
あなたのやさしさがミャンマーの被災者の暮らしを支えます。
たとえば…
※これらは、必要な活動費用の一例です。限られた支援を、本当に必要とする人に確実に届けるためには、事前の調査、調整のほか、物資を一時的に保管しパッキングするための場所、人手、輸送にかかる車両代、燃料代などが必要です。温かいご支援をお願いいたします。
寄付の方法は3種類 ご都合にあわせてお選びください
郵便局からのご寄付(手数料免除口座)
金融機関からのご送金において手数料の負担が増える状況が続いていましたが、今回新しく手数料免除口座(ゆうちょ銀行の窓口でのみ利用可能)設けました。本事業は手数料免除口座の対象となりますので、下記を参考にご利用ください。
お近くの郵便局から、青色の払込取扱票を使って郵便局の払込窓口にてお振込ください。
・口座番号:00140-0-697950
・加入者名:(特活)ADRA Japan
・窓口で手数料免除口座であることを伝えて送金
※通信欄には「ミャンマー人道支援」とお書きください。
【払い込み取扱票 記入例】
クレジットカードによるご寄付
ご利用可能なクレジットカード
クレジットカードによるご寄付はこちらから↓
※ご寄付の前に、こちらのページのクレジットカードご利用案内をお読みください。
決済完了後、クレジットカード会社のシステムを通してsupport_adra@adrajpn.orgより決済完了メールをお送りしています。メールの受け取り拒否設定をされている場合にはそのメールが届きませんので、こちらのアドレスの受け取り許可をお願いいたします。
銀行振込によるご寄付
銀行振込によるご寄付はこちらから↓
銀行振り込みによるご寄付の場合、領収証の宛先、送付先を確認させていただくため、上記のボタンからご寄付いただける方の情報をご登録いただいております。ご登録がすむと、メールで振込先の口座情報が届きますので、ご確認の上、お手続きをお願いいたします。
ADRAではプロジェクトを指定したご寄付の20%を一般管理費としてお預かりし、ご寄付の入金管理や領収証の発行、お問い合わせの対応、活動のご報告等のために大切に活用させていただきます。また一般管理費の一部は、ご寄付が集まりにくい活動のためにも活用しております。災害被災地や途上国の活動への支出(事業費)と管理費の割合は、2022年度の実績では、事業費が93.5%、管理費が6.5%の割合でした。
ADRA Japanについて
ADRAは、世界約120国に支部を持つ世界最大規模の国際NGOです。ADRA Japanはその日本支部として1985年に設立され、途上国や災害被災地において、人種・宗教・政治の区別なく、支援を必要としている方々に寄り添い、自立を助ける支援を届けています。日本では認定NPO法人を取得しています。
HP:https://www.adrajpn.org/
個人情報保護方針:https://www.adrajpn.org/privacy/
お問い合わせ:https://www.adrajpn.org/contact/
寄付金控除について
ADRA Japan は東京都から認定を受けている「認定 NPO 法人」です。ADRA Japanへの ご寄付は、寄付金控除の対象となります。領収証は、ご住所のわかる方には毎年1月に、前年1月~12月までの分をまとめてお送りしております。ご希望の方には都度発行も可能ですのでお問い合わせフォームよりご連絡ください。
所得税の税額控除の場合、確定申告によって寄付金額から2,000 円を差し引いた金額の40%が所得税から控除され還付されます。また、寄付金額から2,000 円を引いた金額を所得から控除する所得控除を選ぶこともできます。
*住民税の寄付金控除については、各自治体によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の税務担当課にお問い合わせください。
よくあるご質問
- 領収書は送ってもらえますか?
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毎年1月に、前年分をまとめてお送りいたします。お送りする領収証を用いて確定申告をしていただくと寄付金控除を受けることができます。ご希望の方には都度発行も対応しております。ご入用の場合は、お問合せフォームよりご連絡をお願いいたします。
- 物を寄付したいのですがミャンマー国内に届けてもらえますか?
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現在、ミャンマー国内や周辺国で必要物資の調達が可能です。送るのに時間と送料をかけるよりも現地調達のほうが効率がよく、地域経済を支えることにつながりますので物を送らずに支援しております。
- 寄付がどのように活用されるか知りたいです。
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ご寄付をいただいた方には、年4回(6月、9月、12月、3月)の機関紙「ADRAニュース」やメールマガジン配信(月末)によって活動の報告をさせていただいております。寄付がどのように役立てられているか、ぜひご覧いただけましたら幸いです。