5,206人に支援物資を配付。限られた食料を分け合っており追加支援が必要とされています

日本時間2024年5月24日午前2時ごろ、パプアニューギニアの首都から北西600キロほど離れたエンガ州ヤンバリ村で地滑りが発生しました。2,000人以上が生き埋めとなり、死者は670人を超えると言われています。

被災地は、地盤が不安定であり、被災地へアクセスできる道路も破壊されたため、災害から2か月がたった現在も、支援活動を行うのは容易ではありません。4000人以上の人たちが避難を余儀なくされ、多くの人たちが生計手段を失いました。国際機関の報告によると、この地滑りの影響を受けた人たちの総数は9,952人と言われ、今後も人々の命をつなぐための食料や生活衛生用品の配付、心理社会的支援、生計回復支援などの緊急および早期回復支援が必要とされています。

ADRAはそのような切迫した状況にある被災者の方々、特に女性、子ども、高齢者、障害者などのニーズに応えるために、行政機関・地域住民・ボランティアと協力し6月および8月に緊急支援を行いました。

具体的には、食料、調理道具、食器、寝具、衣料、ソーラーライト、衛生用品などを被災地のエンガ州ムリカタ地域において合計5,206人方々へ支援しました。

8月は食料を1,263人の被災者へ支援しましたが、交通事情が悪いため、エンガ州ムリタカの被災地まで、およそ194 kmの距離を4時間以上かけて輸送しました。食料配付は2024年8月5日に行い、ADRAのボランティアが被災家庭に食料品を届けました。そのため女性、高齢者、障害者の方々にも安全に支援を届けることができました。

配付した内容は、米10kg、麺類、ツナ缶で、ひと家庭ごとに袋に詰め、被災された家族の代表者に手渡しました。

2024年8月5日 エンガ州ムリタカ

地盤は今も安定せず、避難民の人々がテントを張って暮らしている場所も安全でないという通知があり、多くの人々が、テントを出て、安全な場所への再避難を余儀なくされています。そうした中で、ADRAの食料は多くの方の命をつなぐことに貢献しました。

<受益者の声> .

8月に食料支援を受けた方たちから次のような言葉をいただきました。

ポールさん

「土砂崩れはコミュニティの存続に大きな影響を与えました。土砂崩れが起きて以来、食料が確保できず、多くの困難がありましたが、支援いただいた食料品のおかげで、少なくとも数日間は本当に安心できました。」

ソロモンさん

「食べ物がないこの時期に、食料品を支援していただき感謝しています。私たちを支援してくださることに神の祝福がありますように。被災した人が大勢いるので、お米を小さなカップに入れて、食べものを得られない方々にも分けてあげています」

以上のように、食料が不足する中でも、被災した皆さんが、更に助けあっている様子がうかがえました。

一方で、食料は未だに不足していること、その他、地盤の不安定のために、常に不安を抱えて生活している方々が多数いらっしゃることが分かりました。

ADRAは今後も、被災した方たちによりそって、人々の命をつなぎ尊厳を守るために、取り組んでいきます。

温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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