ADRA Japanでは、福島県の復興を担う若者へ向けた人材育成プログラムを実施しています。
昨年の11月から福島県立浪江高等学校の2年生14名が株式会社ユニクロ様と協力し、学校やユニクロ店舗で仮設住宅での移動販売の準備を行ないました。
そして2月に、準備活動と当日の移動販売を視察しました。視察の際、販売の準備をしている時と当日の生徒の様子の違いや印象に残った先生のコメントを紹介したいと思います。
生徒たちは、11月から学校で、商品の選定、集会所内のレイアウト、チラシのデザイン、休憩スペースのサービスなどの準備を行ないました。
販売する商品は、生徒自身が選びました。生徒たちは仮設住宅の集会所で住民の方々からどのような商品があったら嬉しいのかを聞いたり、インターネットで調べたり、ユニクロ店舗へ行ったりして、住民の方々をイメージしながら商品を決めました。
活動の準備が進むにつれて、生徒たちは意見を出し合ってより自発的に行動できるようになりました。
2月10日は販売当日です。浪江町住民が避難生活を送る二本松市内の旧平石小学校応急仮設住宅で販売をしました。生徒たちはユニクロの商品をそろえたり、仮設住宅に住む住民の方へオススメのコーディネートを紹介したりして楽しそうな様子でした。また、住民の方に少しでも楽しんでもらいたいとの思いから手作りのおにぎりやお茶などを提供し、ゆっくり話ができるスペースも設けました。おにぎりの味やお茶の種類などは生徒たちが話し合いで決めました。当日は、生徒たちの手作りおにぎりやお菓子を片手に、みなさん会話が盛り上りました。
移動販売で生徒たちは、積極的に利用者の方へ声をかけたり、洋服のアドバイスや案内をしたりして、準備のときよりも生き生きとしていました。
お世話になったユニクロの店員さんについても、生徒たちは「対応が早くてすごかった」、「自分で気づいて行動していた」、「笑顔が素敵だった」など、普段は経験しない販売について教わったことでいい刺激をもらったようです。
浪江高校の校長先生は、活動中の生徒たちは、教室では見せない笑顔を見せたり、普段以上に積極的に発言したり、積極的に行動していたと言います。そういった「生徒の変化をみえるのが嬉しい」とおっしゃっていました。
(執筆:インターン 柳澤ちさと)