東日本大震災被災者・震災復興-143 浪江高等学校の生徒たちによる仮設住宅でのユニクロ移動販売

浪江高校生徒とユニクロ社員のみなさん

ADRA Japanでは、福島県の復興を担う若者へ向けた人材育成プログラムを実施しています。

昨年の11月から福島県立浪江高等学校の2年生14名が株式会社ユニクロ様と協力し、学校やユニクロ店舗で仮設住宅での移動販売の準備を行ないました。
そして2月に、準備活動と当日の移動販売を視察しました。視察の際、販売の準備をしている時と当日の生徒の様子の違いや印象に残った先生のコメントを紹介したいと思います。

生徒たちは、11月から学校で、商品の選定、集会所内のレイアウト、チラシのデザイン、休憩スペースのサービスなどの準備を行ないました。
販売する商品は、生徒自身が選びました。生徒たちは仮設住宅の集会所で住民の方々からどのような商品があったら嬉しいのかを聞いたり、インターネットで調べたり、ユニクロ店舗へ行ったりして、住民の方々をイメージしながら商品を決めました。
活動の準備が進むにつれて、生徒たちは意見を出し合ってより自発的に行動できるようになりました。

グループに分かれて話し合い、お客様に喜ばれる飲み物やおにぎりの味について意見を出し合う
仮設住宅の住民の方々に配る手作りのチラシ作成中
「どんな洋服があったら嬉しいですか?」「暖かくなってくるから春物があるといいわね。」仮設住宅の住民の方々からの意見を聞く
おすすめコーディネートのカタログを作成。「家族と外食するとき」「寒い台所で身軽に暖かく」「お花見に行くとき」「近所の散歩をカッコよく」など住民の方々の生活をイメージしながら、テーマごとに考案
仮設住宅の集会所で自治会長さんと会場のレイアウトの話し合い

2月10日は販売当日です。浪江町住民が避難生活を送る二本松市内の旧平石小学校応急仮設住宅で販売をしました。生徒たちはユニクロの商品をそろえたり、仮設住宅に住む住民の方へオススメのコーディネートを紹介したりして楽しそうな様子でした。また、住民の方に少しでも楽しんでもらいたいとの思いから手作りのおにぎりやお茶などを提供し、ゆっくり話ができるスペースも設けました。おにぎりの味やお茶の種類などは生徒たちが話し合いで決めました。当日は、生徒たちの手作りおにぎりやお菓子を片手に、みなさん会話が盛り上りました。

手作りおにぎり準備完了
会場で話に花を咲かせているみなさん
ユニクロ社員の方から、接客をしながら商品をたたみ方法や陳列の仕方を学ぶ
会計の仕事をする浪江高校生。社員の方に教わりながら丁寧に対応し、後日、商品を渡した
浪江高校生徒とユニクロ社員のみなさん

移動販売で生徒たちは、積極的に利用者の方へ声をかけたり、洋服のアドバイスや案内をしたりして、準備のときよりも生き生きとしていました。
お世話になったユニクロの店員さんについても、生徒たちは「対応が早くてすごかった」、「自分で気づいて行動していた」、「笑顔が素敵だった」など、普段は経験しない販売について教わったことでいい刺激をもらったようです。

浪江高校の校長先生は、活動中の生徒たちは、教室では見せない笑顔を見せたり、普段以上に積極的に発言したり、積極的に行動していたと言います。そういった「生徒の変化をみえるのが嬉しい」とおっしゃっていました。

(執筆:インターン 柳澤ちさと)

浪江高校生徒とユニクロ社員のみなさん

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