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いつも温かいご支援を頂き、ありがとうございます。
被災地では、いよいよシェルターの建設が始まりました!堅強な家屋を建設するため、業者に建設作業のすべてを任せることは簡単です。しかし、ADRAの事業ではあえて、被災者の方々にも家づくりに参加してもらっています。
運ばれてきたレンガをトラックから降ろしたり、基礎を作るためのコンクリートをこねたり、特別な技術がいらない作業は、住民の方々が担うのです。
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それには、理由があります。「自分たちの家だ」という意識を持ってもらうためです。
ADRAが建設全部を担ってしまえば、完成した家は被災者の方々にとって、単に「与えられた物」になってしまう可能性があります。しかし、家づくりに少しでも携わると、完成した家屋を「自分が作った家」と感じることができるのです。
なにより、汗水を流して造り上げた家は、自尊心を回復します。人は誰でも、助けられるばかりでなく、自分の力で生きていきたいと願うもの。ただもらうだけでなく、自らの努力で立ち上がったという気持ちを持てるようにすることが、一人ひとりの尊厳を回復することにつながります。
日本から届ける支援がより永く、より大切に、この地に残ることも期待しています。
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現在、日本からアフガニスタンの現場に行くことはできません。しかし、現地から送られてくる写真を見ていると、だんだんと勇気が湧いてきます。
丁寧に積み上げられていくレンガの一つひとつが、 未曾有の大地震から人々が元の生活を取り戻すための、確かな一歩に他ならないからです。
被災者の方々が建設作業に参加することは、家屋に対するオーナーシップの醸成だけに留まらない、復興へ向けた希望の積み上げ、つまり、心のケアのような役割も果たすと信じています。
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建設作業は、10月も続いていきます。
次回は、現地で行われた防災・減災研修についてご報告いたします!お楽しみに。
(アフガニスタン事業担当 守屋 円花)