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Nepal Survey of Development Assistance

ネパール開発支援事業 20年の足跡



○衛生と栄養、医療環境のさらなる改善を目指して

プライマリー・ヘルスケアセンターの建設が行なわれた1994年には、並行していくつかの事業が行なわれていました。そのひとつが、文字の読めない人の多い農村部で衛生面の意識を高めてもらうための人形劇の上演事業です。この事業は、当時ADRA Japanのボランティア派遣事業に積極的に参加してくださっていた筑波大学の人形劇同好会の学生が中心となり、1994年から1998年までの5年間、毎年行なわれました。
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当時の上演の様子。
各地の学校や広場で巡演し、毎年数千人の村人が劇を見に来た

劇で上演された内容は、それぞれ「食事の前の手洗い」「食事後の歯みがき」「タバコが体に及ぼす悪影響」「目の衛生について」「トイレを使うことの大切さ」というもの。いずれも健康な生活を送るためには大切なことですが、当時は歯磨きの習慣があまりなく、トイレに至ってはほとんどの家で設置さえされていなかったため、こうした基本的なことに対する意識が低かったようです。

他の事業と違って建物などの目に見える形で成果が残っているものではありませんが、劇が行なわれていた地域の診療所の職員によると、この10年で食前の手洗いや食後の歯磨き、トイレのあるところで用を足すようにすることなど、劇のテーマになったもののうちいくつかは確実に定着してきており、公衆衛生に関する基本的な意識を持たせるのに役立っていたのではないか、とのことでした。

 

この人形劇とほぼ同じ時期、1994年から1997年にかけて行なわれたのが、地域の栄養状態の改善を目的とした家庭菜園の普及事業です。この事業が行われる数年前、日本から看護学生を派遣して地域の栄養状態を調べたところ、多くの子供たちにビタミンA不足が見られたため、それを補うことのできる野菜を栽培することが当時の方針でした。

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今も使われている家庭菜園

今では、ネパール政府が子供たちにビタミンAの錠剤を無料で配っていることもあって、この家庭菜園でビタミンAを補充するための野菜は作られていませんでした。しかし、ネパールの代表的な家庭食であるダルバートを作る際に必要となる様々な野菜が栽培されていました。栽培された野菜は家庭で消費されるほか、余ったものを物々交換したり、ときには市場で販売したりして活用しているそうです。

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栽培されている野菜。トマトやナスなど、日本でもなじみの食材もある

 

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ネパールの代表的な家庭料理・ダルバート。
この料理に使う野菜を家庭菜園で栽培している

この事業が行われた直後、似たような菜園を自分の家の庭に作る人が多かったそうです。今では周辺住民のほとんどがそれぞれの家庭菜園を持ち、色々な野菜を栽培しているとのことでした。

 

人形劇上演や家庭菜園普及事業を行なった地域では、他の多くのネパールの農村部と同じく、医療機関の不足が深刻な問題でした。ネパールの農村部の人たちは、病気や怪我をするとたいていは各地の簡易保健所(小規模な診療所)でヘルスワーカー(医師の資格はないが応急処置や薬剤処方ができる医療スタッフ)による診察や怪我の治療を受けます。しかし、多くの診療所が満足な医療機器を備えておらず、建物も老朽化していたり、学校や商店の一部を間借りしているところがあったため、充分な医療サービスを提供することはできませんでした。

人形劇と家庭菜園事業が行なわれてから10年が経った2007年、設備の整った簡易保健所がなかなか設置されないという状況を打開するため、これまで多くの事業を行ってきたカブレ郡の8つの村に簡易保健所を建設する事業を行ないました。

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真新しい簡易保健所には、以前の2倍から3倍近くの患者が訪れる

 

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子供の診察をするヘルスワーカー。
以前はあまり患者が来なかったが、今はかなり早い段階で受診する子供も多いという

まだ建設から1年ほどしか経っていないこともあり、どの建物もきれいに使われていました。また、大きな車道からかなり奥まったところに建設された診療所には、周囲の密林から来る野生動物に施設を傷つけられないよう、村人が有志で防護用のフェンスを設置していました。

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周囲がコンクリートとレンガでできた壁とワイヤーで囲まれ、
動物が敷地内に侵入できないようになっている

こうした対策は、周辺住民が建設された建物を地域の財産として考えない限り、なかなか実行されないものです。この診療所がこの地域の住民たちに本当に必要とされていたからこそ、このような取り組みが自主的に行なわれたのだと思います。

 

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