トンテンカントンテンカン【 ジンバブエ便り vol.25 】

南半球に位置するジンバブエでは、気温が冬の寒さから夏の暑さへと変わりつつあります。

現在、ジンバブエ事業では小学校での校舎建設に取り組んでいます。
今年は3つの小学校で2棟ずつ校舎を建設する予定ですが、今は1棟目の校舎の建設工事にあたっています。この工事もいよいよ中盤に差し掛かり、今は窓枠をはめる段階です。これが終わるといよいよこの校舎は完成し、続いて2棟目の建設に取りかかります。

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校舎の骨組みづくりのために、レンガを積み上げている様子

この校舎建設はADRAと現地行政と建設作業員、そして村の人々による協働で進められています。ADRAは資材の購入や運搬、関係者との調整などを行ない、建設工事全体を管理します。現地行政は、校舎が政府の規格通りに建てられているかを定期的に確認します。その中で専門的な知識と技術を持った建設作業員が、実際の工事にあたっています。

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手前の赤いシャツを着ている人物が、政府の規定通りに校舎ができ上がっているかを確認する現地の行政職員

では村の人々は何をしているのか?と思われるかもしれませんが、村の人々は校舎建設に欠かすことのできない様々な作業を担っています。その1つとして、レンガづくりが挙げられます。

レンガをつくるためには水と砂、そしてセメントが必要です。村の人々は、そのうち水や砂を村の中から集めてきます。砂は近くの川から、水は井戸や川から運んできます。井戸や川は学校のそばにはなく、近くても片道3kmほど離れたところにあります。その距離を何度も往復して、砂や水を集めます。これはなかなかの重労働です。

井戸で汲んだ水を運ぶ親子

そして集めてきた砂と水、それにADRAが提供するセメントを混ぜ合わせ、レンガの素となる液状のものをつくります。それをレンガ製造用の型に流し込み、ある程度固まったら型から取り出し、数日の間乾かすことによって、レンガができ上がります。

1棟の校舎を建設するためには約30,000個のレンガが必要となるので、村の人々が総出でこの作業を行なっています。

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レンガづくりに励む村の人

こうしてでき上がったレンガを建設作業員が一つずつ積み上げてセメントで固めていく作業を繰り返すことで、校舎が形づくられていきます。つまり、村人によるレンガ作りがなければ、校舎は建設できないのです。

この他にも、住民はトラックで運ばれてきた資材の荷降ろしや、建設作業員への食事の提供なども行なっています。特に3つの小学校のうちの2つは、非常に地の利が悪く、トラックを乗り入れることができません。これらの場所ではトラックは小学校にできる限り近づいたところで資材を降ろし、そこからは住民が牛をなど使うなどして小学校まで運んでいきます。
村の人々は、農作業や家事などで忙しいのですが、時間を見つけて子どもたちや村の将来のために、懸命に校舎建設に取り組んでいます。

これまでは、これらの地域の子どもたちは木の下などで授業を受けていたため、雨が降ったりすると授業を受けることができませんでした。しかし、校舎ができれば雨に遮られることなく授業を受けることができるため、子どもたちは校舎が完成するのをとても楽しみにしています。

例年、この地域では11月の中旬ごろから雨季が始まるので、それまでには2軒目の校舎の建設工事も終わらせる予定です。今日もゴクウェ・ノース地区では、校舎の建設工事が続いています。

※この事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の助成も受けて実施されています。

【今月のショナ語】

毎月、ジンバブエ便りでは現地で主に使われている言葉であるショナ語(ショナ族の言葉)の簡単なフレーズを紹介していきます。ショナ語は、ローマ字読みで発音できるので、是非声に出して覚えてみてください。ジンバブエでは他に英語、ンデベレ語(ンデベレ族の言葉)などが使われています。

Riri kunaka! (リリ クナカ)
意味:おいしい!

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主食のサザを食べる子どもたち

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