引き渡し式を終えて【ジンバブエ便り vol.32】

現在、ジンバブエは雨季に入っていて、ほぼ毎日のように雨が降っています。しかし、一日中降り続けるということはなく、雨が上がると空は青く澄んで、木々の緑もみずみずしく、とてもきれいです。

さて、昨年の11月、私たちが支援している学校の一つであるゴクウェ・ノース地区のチオザ中学校で、建設した校舎や貯水タンク、トイレなどの引き渡し式を行ないました。

引き渡し式には、日本大使館から平石駐ジンバブエ大使、都築参事官、ジンバブエ政府側からはミッドランド州の教育局長、ゴクウェ・ノース地区の区長補佐、チーフ(伝統的な地域の首長)など、ADRA Japanからは事業部長の橋本、東京側でこの事業を担当している石橋、この事業の現地担当を務めている前川とチーム・スタッフ、そしてパートナー団体であるADRA Zimbabwe側からは事務局長や財務部長らが出席しました。

式典には数百人を超える住民、生徒たちが参加し、日本政府及びADRA Japanからゴクウェ・ノース地区の行政及び住民へ校舎やトイレなどが正式に引き渡されました。

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引き渡し式には、数百人にのぼる人々が参加した。
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記念プレートの前での記念撮影。
左から、ADRA Zimbabweの事務局長、ADRA Japanの事業部長の橋本、平石駐ジンバブエ大使、ミッドランド州の教育局長

今回、私たちは住民や生徒たちと一緒に準備を進め、引き渡し式のプログラムをつくり上げました。住民たちは、学校の掃除をし、会場の設営を行ない、食材を集め、食事を用意しました。生徒たちは感謝の気持ちを伝えるため、歌や踊りの練習をして、当日はすばらしいパフォーマンスを見せてくれました。

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生徒たちのパフォーマンス

すでに雨季に入っていましたが、式典の間は天候にも恵まれ、引き渡し式は盛況のうちに終わりました。印象深い場面は数々ありましたが、特に2つの場面が強く印象に残っています。

まず一つ目は、チオザ中学校の校長先生、PTAの会長さん、そしてゴクウェ・ノース地区の議会議員さんたちが住民を代表して、引き渡された校舎や貯水タンク、トイレなどを責任をもって維持管理していくと、平石大使やその他の列席者の前で誓った場面です。今後は外部の支援に頼らずに、住民たちが自ら学校のインフラを維持管理していかなくてはなりません。彼/彼女たちが今後どのように維持管理をしていくのか、しっかりと見守っていきたいと思います。

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列席者の前で宣誓をする校長、PTAの会長、議員たち

2つ目は、この事業のチーム・スタッフ、そして校舎やトイレなどの建設に関わった住民たちがとても誇らしそうにしていたことです。この事業は、彼/彼女たち一人ひとりの力なくしてはここまで来ることはできませんでした。住民たちへの感謝の気持ちを強く感じると同時に、達成感に満ちている彼/彼女たちの姿を見てとても嬉しく思いました。

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この事業のチーム・スタッフ

引き渡し式当日を無事に迎えられたのは、ジンバブエにいるスタッフや住民の力だけでなく、日本で支えてくださっている皆様のおかげでもあります。この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

引き渡し式は終わりましたが、浅井戸の修繕作業などまだいくつか作業が残っているので、私は今も事業地で活動を続けています。

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喜ぶ生徒の母親たち

なお、この事業は今年の3月に終わる予定ですが、現在、新しい事業の準備も進めています。新しい事業は、同じゴクウェ・ノース地区で約2年間にわたって行なうことを考えています。

現在の事業は水・衛生分野に主に焦点を当てていますが、次は教育分野への支援を柱として、学校で学ぶ子どもたちだけでなく、これまで支援することのできなかった学校へ通えていない子どもたちや、学校の運営を任されている子どもたちの保護者への支援も考えています。

詳しい事業の内容については、また別の機会にご説明いたします。現在の事業が無事に終わり、新しい事業を無事に始められるように、引き続き皆様の温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。

(ジンバブエ事業は、皆様のご支援と外務省日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。)

【今月のショナ語】

毎月、ジンバブエ便りでは現地で主に使われている言葉であるショナ語(ショナ族の言葉)の簡単なフレーズを紹介していきます。ショナ語は、ローマ字読みで発音できるので、是非声に出して覚えてみてください。ジンバブエでは他に英語、ンデベレ語(ンデベレ族の言葉)などが使われています。

Makorokoto!(マコロコト)
意味:おめでとう!

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チオザ中学校の朝礼台の前で

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