スポーツを通して教育の大切さを考える【ジンバブエ便り vol. 39】

ADRA Japanはジンバブエで教育事業を展開しています。
今回は、2018年10月末~11月初めにかけて実施した教育の重要性を伝えるイベントをご紹介します。

事業地のゴクウェ・ノース地区では、学校に子どもを通わせない家庭が多く存在します。その背景には、収入が少なく学費を捻出することが難しい、子どもに家畜の世話をさせたり、小さい兄弟の面倒を見てもらいたいなど様々な理由があります。

しかし一方で、そもそも教育の大切さを理解していないために、子どもを学校に通わせない家庭も多いというのが実情です。そこで、学校の先生や保護者が話し合い、スポーツ大会を企画して、集まった人々に対して、教育の大切さを伝えることにしました。

スポーツ大会を選んだ理由は、スポーツには性別、年齢、所得の違いを超えて人々を繋ぐ力があるからです。たとえ競技に参加できなくても、応援したり、競技者のサポートをするなど様々な形でスポーツに関わることができます。一度にたくさんの人たちを集めるには、スポーツ大会を開催することが最も良い方法でした。

なお、サッカーやネットボール、バレーボールなど男女がともに参加できる種目を多く用意しました。一人でも多くの人が競技に参加し、活躍できるようにすることで、コミュニティの一員としての自覚を持ち、コミュニティのために何かできるという自信を持てるようにしました。

さらに、現在支援している4校だけではなく、近隣の小中学校の参加も促すことで、普段あまり関わることのない他の地域の学校の生徒や保護者と関係を築く機会も提供しました。

写真1.女性がネットボールをする様子。.jpg

地元の女性がネットボールをする様子。当日は35度以上の気温で、砂の舞う砂漠のようなグラウンドで行いました。

写真2.バレーボールをする様子。多くの人が私服のままで参加しました。 - コピー.jpg

バレーボールをする様子。多くの人が私服のままで参加しました。

写真3.小学校の高学年生がサッカーの試合をしている様子です。 - コピー.jpg

小学校の高学年の生徒がサッカーの試合をしている様子。

試合はトーナメント方式ではなく、各チームが1試合以上参加できる形式とし、競い合うことよりもイベントに参加することに重点を置きました。試合の合間には人々を集め、子ども達が歌やダンス、スピーチで教育の大切さを伝えました。また、大人は劇を中心に、学費を支払うことや学校に子どもを送ることの大切さを伝えました。

写真4.子どもが詩を発表しています。 - コピー.jpg

子ども達が詩を発表していました。

大人は演劇をしました。頭につけているバンダナにもショナ語とトンガ語で「制服を着ているときに、私たちは守られている」など14種類のメッセージ が書かれています。

地元の卒業生が歌でメッセージを送りました。

イベントは5日間開催され、合計で約2,000人が参加し、地域のリーダーや各校の校長、子ども達やその両親、警察官など地域の人々がたくさん参加してくれました。イベントを通して、参加者が楽しみながら「教育はどうして必要なのか」と考えることで、教育の大切さが理解され、今後学校に来る子どもが増え、学費を支払う家庭が増えることを期待しています。

これからも住民に寄り添いながら、教育支援活動を行っていきます。

引き続き、ご支援のほどどうぞよろしくお願い致します。

本事業は、皆様からのご寄付のほか、日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
目次