笑顔が広がった収入向上研修【ジンバブエ便り vol.40】

~ワックス、ハンドクリームの作り方~

2019年1月末、2年間の教育支援事業の締めくくりとして、3日間にわたり収入向上研修を4つの小中学校で行いました。

研修の講師は過去3年以上提携しているSWEET MAWUNGWEの養蜂専門家が務め、学校開発委員会のメンバー、校長・教員、特別クラスに通う子ども達とその保護者が参加しました。

研修の目的は、養蜂を通して採取した蜂蜜を使い、商品をつくるための知識や技術を身に付けることです。当日は、キャンドル、ハンドクリーム、床磨き用ワックス、生姜の蜂蜜漬けなどの加工食品作りを行いました。

今回のブログでは、2種類の商品の作り方を説明します。

【ワックスの作り方】
  ① 蜜を採り必要なくなった巣を集める
  ② 水で洗い、埃などの汚れを取り除く
  ③ ポットで水を沸騰させ、その中に別のポットを入れ、水と洗った巣を
    ちぎって入れる
  ④ 湯せんしてしばらくすると、巣が溶け始める
  ⑤ 溶けた巣(蜜蝋)を水の中に流し込む(直接流し込むのではなく、
    ざるに薄い布を引いた上から流し込むことで、余計なごみを取り除く。)
  ⑥ 水に入った液体の蜜蝋が固まり、浮いてくる
  ⑦ その蜜蝋を回収し、形を整え完成
    (販売価格:1キロあたりUSD 10.0(約1,100円))

【ハンドクリームの作り方】
  ① 蜜を採り必要なくなった巣(Hive)を集める
  ② 水を使い、埃などの汚れを取り除く
  ③ 水をポットで沸騰させる
  ④ 沸騰したお湯の中に別のポットを入れ(湯せん)、先ほど洗った巣をちぎり
    ながら料理油と一緒に入れる(比率は料理油150mlに対して蜜蝋500ml)
  ⑤ お湯の中から出し、少し冷めてきたら容器に流し込む
  ⑥ 30分程度で蜜蝋がクリームのように固まる
  ⑦ 販売価格:USD 2.5(約275円)

※ちなみに、料理油の代わりにエンジンオイルを使用すると床磨き用ワックスを作ることができます。また、香料や食料を使うと色や匂いの違いを楽しむことができます。

研修が終わると、作りたてのハンドクリーム容器を持った参加者たちから笑顔がこぼれていました。

蜂の巣を使って、蜂蜜以外の商品をつくり販売することで、特別クラスに通う子どもや保護者が子ども達のノートやペン、制服、学費などの費用を一部でも賄うことができるようになります。また、学校開発委員会のメンバーにとっては、校舎のガラスの修理や教育資材を購入する費用に充てることができるようになります。

養蜂は、蜂蜜を売ることによる収入に限らず、巣など普段は処分されてしまうようなものも利用して商品に付加価値をつけることで、さらなる収入を増やすことができます。

それがひいては教育環境の改善につながると私たちは信じています。今後も住民に寄り添いながら、教育支援活動を行っていきます。引き続き皆様のご支援のほど、どうぞよろしくお願い致します。

(本事業は、皆様からのご寄付のほか、日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。)

筆者:アシスタントフィールドオフィサー ムクンブジ ヌベ(Mkumbuzi Ncube)

執筆:アシスタントフィールドオフィサー ムクンブジ・ヌベ(Mkumbuzi_Ncube).png

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