電気も水道もないホンジュラスのある家庭が見いだした希望

山々に囲まれたホンジュラス、エル・パライソ地方の小さな村に、サントス・ビクトリーナ・トマス・フローレスという名の女性が住んでいます。

サントスさんは 3 人の男の子と1 人の女の子の母親です。彼女の子どもたちへの愛は非常に深いものですが、厳しい貧困にも直面しています。彼女の家族は電気も水道も通っていない、小さな小屋で生活しています。

サントスさんは日の出と共に起床して子どもたちの世話をしますが、お腹を空かせた子たちに十分な食事を用意できないことも、ままありました。

仕事が不足する村での生活は苦しく、サントスさんの家庭も、夫のわずかな収入では家族を養えません。最低限の生活必需品さえも手に入れることができない、という不安のなかで暮らしていました。

サントスさんは、子どもたちが食べ物を求めて訴えるような目を向けてくる折に感じた絶望が忘れられません。子どもたちが飢えないように、夫婦は自身の食事を犠牲にして耐えてきました。

サントスさんは、子どもたちがトルティーヤを食べたいと望んでいるにもかかわらず、小さなお腹が空腹で鳴る音を耳にして、何度も心が張り裂けそうになったといいます。

ADRAはエル・パライソ地方を訪れ、USAIDの人道支援局(BHA)と提携し、気候変動と干ばつの影響を受けているホンジュラスの「乾燥地帯」に住むサントスさんのような家族を対象に食料を購入できるよう支援をしています。

同プロジェクトは、食料、スマート農業技術、家庭菜園、ソルガムなどの干ばつに強い種子の購入や、保健・栄養プログラムのために現金給付を行い、また、各家庭を訪問し、栄養失調の子どもたちに栄養価の高いクッキーを食べさせ、健康状態を改善させています。

サントスさんは言います。

「支援に心から感謝しています。子どもたちと赤ちゃんがよく食べるようになり、健康を取り戻し始めた幸せを噛みしめているんです。家族、特に重度の栄養失調に陥った息子の回復を神に感謝します。私が彼にクッキーを渡すと、食べ始めるんですよ。成長を感じて嬉しいですが、あの頃の姿を思い出すと涙が出ますね」

ADRA の支援を通じて、サントスさん家族は食事を摂れるようになりました。また、経済的負担を軽減しようとトマトやキュウリを育てています。

家族が、かつてのように苦しむことはありません。当地は希望の村へと変わりました。サントスさんは将来へ思いを巡らせながら、子どもたちにとって、より良い環境を望んでいます。

彼女は結びました。

 「これからも私たちを助けて下さい。いつの日か家を再建できる方法が見つかり、子どもたちが飲み水や宿題をするための電気を手に入れ、今よりも良い床で眠ることができるような。。。きちんと家族が生きられる日がくるかもしれません」

今後もADRAは世界各地において今なお著しく損なわれている人間としての尊厳の回復と維持を実現します。皆様の温かいご支援を、よろしくお願いいたします。

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