耐震性のある家をアフガニスタンに。命と夢を守る村再建に向けて
2023年10月、大きな地震がアフガニスタンの村を襲いました。あたりには砂埃が立ち上り、視界に入るすべての建物は崩れ、立ち尽くす人々よりも背が高いものは、たった1基の重機だけ。目を疑うほどの光景でした。
この地震による死傷者は1,500人以上でそのほとんどは女性と子ども。家の下敷きになってしまったのです。
私たちADRAは、悲しみに打ちひしがれる人々のもとに、食料を届けて回りました。
そして、村一帯が被災したこの地域の惨状と、そこに暮らす子どもたちが胸に秘めている小さな希望を知りました。
彼らを力づけるためには何ができるだろう。何から始めたらいいだろう。
地域への訪問しと人々との話し合いを重ね、私たちは、耐震性のある住居をつくり、村の給水設備を整え、衛生教育や防災啓発に取り組みます。
⇧寄付ページにジャンプします。命と夢を守るアフガニスタンの村再建に温かいご寄付をお願いします
アフガニスタンの一人の少年を紹介します。
エザトゥラ―君、10歳です。
彼には、学校の先生になる夢があります。周りの大人が字を読めず、苦労しているのを見ているからです。
自分の可能性を信じ、村の役に立ちたいと語る目を輝かせるエザトゥラ―君ですが、実は、ちゃんとした家がありません。この写真は、彼が今生活しているテントの中です。生きるのに必要な水も、毎日遠くまで汲みに行っています。
2023年の地震以来、彼だけでなく村中の人が布や毛布をつなぎ合わせたテント等で、水の確保にも苦労しながら今日をなんとか生きています。
雨や風におびえずに、水の心配をしないで、明日に期待を膨らませながら過ごせる家が欲しい。
エザトゥラー君が暮らす村の住民、全員の願いです。
地震から9か月が経つアフガニスタン
2023年10月、アフガニスタン西部ヘラート県をマグニチュード(M)6.3の地震が4回も襲いました。この地震によって1,500人以上が亡くなり、30,000棟以上の家屋が全壊。
家を失った人々のほとんどは、発災から8か月が経った現在も、布とトタンなどのありあわせのものを屋根や壁がわりに生活しています。洪水が来たら、ひとたまりもありません。
安心して利用できる水源も近くになく、身の安全や健康が脅かされています。
ただただ悲惨で、夢も希望もないように思えるような状況ではありますが、実は子どもたちは夢を忘れてはいません。
「学校の先生になって、皆が文字を読めるようにしたい」「お医者さんになって村の人を助けたい」
「エンジニアとして活躍したい」
夢を語る子どもたちの目は、暗いテントの中でも輝いています。
辺り一帯が、悲しみに沈んでから早9か月。
自然災害も多く、冬の寒さも厳しいこの地で、どうしたら命も夢も守ることができるのか、私たちは村の人たちと話し合いました。そして、
①安心して暮らせる家、②水道整備と衛生啓発、③災害や病気から身を守る知識を広める啓発活動
の3つをサポートできれば、希望を持てると確信しています。
アフガニスタンは、日本政府から退避勧告が出ていることもあり、日本からは遠い国です。ですが、だからこそ、ADRAのネットワークを通して日本から支援を届けられることは、計り知れないほど大きな希望につながります。
私たちと一緒に、命と夢を守るアフガニスタンの村再建を応援していきませんか?
一口1,000円からのご寄付でこの活動にご参加いただくと、活動の進捗をお届けする特別レポートをお届けします。ご参加をお待ちしております!
ADRAの取り組み
耐震性があり安心して暮らせる家
地震で被災した地域には技術者がいないため、ADRAでは材料の購入と技術指導をサポートし、村の人々が自らの手で、地震にも洪水にも強い自分たちの家を建てていきます。
ビルド・バック・ベター(Build Back Better)の考えをもとに次の災害に備えながら、被災前よりも安全で尊厳のある暮らしを送れるようになることを目指します。
水道整備と衛生啓発
今の村には水道がなく、人々は毎日、遠くの水源まで生きるために必要な水をくみにいかなければなりません。さらに地震の影響で水の安全性が下がっています。
掃除洗濯に使う日用品もなく、もともとの衛生習慣もあまり定着していなかったことから、病気のリスクが高まっています。
水道を整備できれば、子どもたちを水汲みの労働から解放することもできます。
地域の防災力をアップし命を守れる村づくり
災害は、避けたくても避けられないことがあります。しかし備えていれば、いざというときに命を守る行動をとることができます。
多くの大切な命が失われてしまう惨状をできるかぎり繰り返さないですむように、村の防災力アップに取り組みます。
最新のブログ記事
「将来の夢」- 希望と共に生きる5人の子どもたち
アフガニスタン、ジンダジャン地区のチャザディ・ヘラルザイで暮す5人の子どもたちが、ADRAスタッフに今の状況を話してくれました。
ニサール君12歳
僕の家族は9人家族で、両親と3人の兄弟、4人の姉妹がいるんだ。地震があったとき、お父さんはイランで働いてたんだけど、家がどうなったか見るためにアフガニスタンに戻って来たよ。僕は庭で遊んでたんだけど、突然地面が激しく揺れて、ずっと怖い思いで過ごした大変な一日だった。地震が終わってからは、家族と家畜みんな1つのテントに避難したんだ。今住んでるのは、ヘラート市の人が建てた避難シェルターなんだけど、雨季になると水があふれて洪水になっちゃうんだよ。僕は長男だから、お父さんがいないときは家族の大黒柱としてしっかりしなきゃと思ってる。学校が終わったら砂漠で薪を拾ったり、遠くの水場まで水を汲みに行ったりしてる。15匹のヤギの世話もしてるんだ。前は自分が勉強できるなんて夢みたいな話だと思ってたんだけど、青空教室に通い始めてから、将来が楽しみになった。たくさん勉強して、大人になったらエンジニアになって、ヘラートの人たちのために安全で素敵な家を作りたい。怖いことはあっても、みんな前向きに変わっていってもらいたいって気持ちが強くあるからがんばってるんだ。この夢が叶うように努力して、地震にあった人たちの希望になれたらいいな。究極の目標はみんなのために良い未来を作ることなんだ。
ハーティマちゃん11歳(小学1年生)
私は家族と住んでるんですけど、お父さんは亡くなってしまいました。
お兄さんが一輪車で荷物運びの仕事をして、お金を稼いでくれてるの。
今は料理につかう薪を集めてるんだけど、地震がきたときは、外で家畜の世話をしていたから助かったの。
学校も崩れちゃって、今はテントで授業しています。青空教室でも勉強できるのはうれしいです。将来は学校の先生になりたいから。
私が働いて家族を助けて、ヘラートの未来を明るくできたらいいなって思ってます。
モハマド君10歳(小学3年生)
地震がきたとき、僕は家にいたんだ。倒れてきた壁に足がはさまれて折れてしまって、今も治らない。だから友だちと一緒に遊べないんです。他の子みたいに走ったり歩いたりできないから。自分の足で歩いていた頃に、戻れるなら戻りたいです。
将来は医者になりたいな。今はお父さんがイランに出稼ぎに行って家族を養ってくれているけど、将来は僕が家族を支えたい。それに僕が暮らすこの村の貧しい人たちを助けたいんだ。
ファヒーム君11歳(小学4年生)
僕は家族と一緒に住んでるんだ。お父さんはイランで働いて、家族を養っているんだよ。
地震が来たときは学校にいたんだ。
僕の学校はテントで授業してる。でも、外で勉強することが多いよ。
将来はエンジニアになって、家族を支えて、ここに住んでる人たちの役にも立ちたいな。
エザトゥラー君 10歳
地震の時は、友だちと家の近くで遊んでたんだ。
地震が起きてすぐお兄さんが出稼ぎ先のイランから戻ってきて、今は一緒に暮らしています。
僕も家族のために、砂漠で薪を取ってきたり、羊の世話をして力になろうとしてる。
勉強するのも好きだけど、今は先生がいないんだ。モスクでも勉強を教えてくれるけど、先生がいつもいるわけじゃないから。あまり勉強することができないのは残念です。
将来は学校の先生になって、字が読めない子どもたちをなくしたい。
僕の村には、子どもの頃に勉強できなかった人がたくさんいるよ。それで、字を読めない人が多いんだ。このいう問題を将来なくしていきたい。
ヘラートに住む人たちを支えられる人に、将来なりたいんだ。
子どもたちを応援したいと思ってくださった方はぜひ、私たちと一緒にアフガニスタンの村で夢を持っている子どもたちが安心して暮らせるように、あたたかいご支援をお願いいたします。