ジンバブエ北西部のニャミニャミ地区にあるマレンベジャ小学校、サウィラマカンデ小学校、マジャゾ小学校にて2022年4月より教育支援事業をしています。
みなさまの温かいご支援を頂き、事業2年目が無事に終了いたしました。
感謝の気持ち込めて、駐在員の上田が2年目の活動報告をさせていただきます。
【学校建設】
各学校で2棟目の校舎(2教室)の建設が完了しました。この建設により新たに100名x3校の児童が、天候を気にせず、整った教室で学習できるようになりました。
古い教室の様子は過去のブログで紹介しています。こちらをどうぞ。
太陽光発電システムが導入されている1棟目の校舎から、2棟目にケーブルを繋いでいるため電気も使用可能です。
建設担当のスタッフと相談し、安全性や外観も考慮してケーブルは地下に埋めています。
建設作業員は地域住民から選ばれ、建設作業をしながら技術や知識を磨いていき、多くの建設作業員が自ら建設の専門試験を受けて合格しています。なお、作業員には男性だけでなく女性の作業員もおり、女性の社会参画を促すことができました。
【学校開発委員会トレーニング】
2023年5月に「セーフガーディングと児童保護」と6月に「財務管理」のテーマで学校関係者へトレーニングを実施しました。
5月のトレーニングでは、子どもに対してもわりやすい劇やイラストなどを使って、子どもの権利について説明しました。
財務管理では、学校開発委員会が自分たちで資金管理をできるように収入向上活動の運営、キャッシュフローの計算等について学びました。
【衛生環境の改善】
2023年度は花王ハートポケット倶楽部様および花王株式会社様のご支援を賜り、各学校へ手指消毒薬などの衛生用品を設置し、高学年の女子生徒へ生理用品を支援しました。
その結果、子ども達の衛生を改善できたほか、女子児童たちは安心して学校に通い続けることができ、女子の尊厳の向上にも効果をもたらしました。
【啓発活動】
教育啓発活動は2023年10月、11月、2024年3月の計3回行いました。
10月は「コンサルテーション・デイ」と題して、教師、児童、保護者からなる3者面談が各学校で行われました。日本の学校では3者面談は一般的ですが、この学校では初めての取り組みとなり、子どもの学習状況等を知りたい保護者がたくさん学校に集まりました。
3者面談をした保護者からは、「子どもがこんなにもたくさん学校を休んでいることを知らなかった」や「家では見られない子どもの新たな1面が知れた」など、多くの反響の声が届きました。
11月は学校が児童による伝統的なダンス、組体操、歌、スポーツなどを企画し、集まった住民に教育の重要性のメッセージを伝えました。
保護者も参加する種目があり、日本の体育祭と文化祭が合わさったようなイベントになり、地域全体でとても盛り上がりました。
2024年3月は各学校で戸別訪問活動を行いました。各学校20名のボランティアが地域の各家庭を回りながら、子どもが学校に通っているか、地域の教育活動に参加しているかなどの質問調査をしながら、同時に教育啓発の資料も配布しました。
【特別教室】
家庭の経済的な理由等で学校に通いたくても通うことができない子どもにむけて特別教室を開き、学習の機会を提供しました。
各学校で30名の子ども達がこの活動に参加し、最高学年に値する子どもが国家試験を受験しました。
支援している3つの小学校の国家試験の成績は悪く、長年、合格率0%が続いていましたが、今回の試験では特別教室の児童から計5名の合格者が生まれました。
【3期にむけて】
事業最後の1年となる3期が開始しました。3期では新たに職員棟の建設、収入向上活動の開始を計画しています。
この事業では、ADRAの活動が終了した後に学校が主体となって教育の持続発展ができるようになるように日々事業スタッフ共に取り組んでいきます。なお、ニャミニャミ地区のより良い持続発展のためには、男女の差別なく全ての子ども達が教育を受けられることが大切ですので、ジェンダーの平等にも継続して取り組んでいきます。
今後とも皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
(ジンバブエ事業 駐在員担当 上田耕二)