すべての子どもに選択できる未来を
学校に通えない子どもたち
2020年現在、世界では約6300万人の子どもが学校に通えていません。
この数は、日本の子どもの数の4倍以上です。
また、小学校を卒業できない子どもの割合は18%。後発途上国と言われる国々ではその割合はもっと大きく、
2倍以上の41%、つまり5人に2人の子どもたちは勉強を続けたくても続けられない状態です。
学校に通えない理由
このような現状にはいくつか理由があります。
一つは学校へのアクセスの問題です。家から危険な道を何時間も歩かないと学校がない地域があります。
二つ目は、学校のクオリティの問題です。学校や教室がない、机・椅子が足りないなど、子どもの学習環境としても整っていません。働く先生方にも厳しい環境で、教員が定着せず、先生がすぐ替わってしまったり、着任する先生が少ないという問題もあります。
三つ目は、家庭の問題です。学校に通わせる経済的余裕がなかったり、教育よりも家の手伝いを優先させて子どもを学校に通わせていなかったり、早期結婚により教育の機会を失う子どもがいます。
子どもたちが学校に通えない理由や、通い続けられなくなる理由は、地域や家庭によってさまざまです。
子どもたちの未来をひらくADRAの教育支援
教育を受けることができないと、子どもらしく過ごす時間をもてないまま大人になったり、読み書き・計算ができないために将来、安定した収入を得ることが難しかったり、親になったとき子どもも学校に行かせることができない可能性が高くなります。
アドラ・ジャパンは、「ひとつの命から世界を変える」をモットーにそれぞれの状況に合わせて、地域の人々と学校を建てたり、生計向上や啓発活動に取り組んだり、必要な学資支援を届けることで悪循環を断ち切り、すべての子どもたちが自分の意思で未来を選べる自立した生活を送れることを目指しています。
また、学校への支援だけでなく、「人に対する支援」として、母子保健教育や衛生教育、防災教育などのほか、大人に対しても、家庭での栄養改善への取り組みやPTA疑似組織形成など幅広く取り組んでいます。
当事者の声
親が教育の大切さを知る機会がなかったシリンダイルさん(ジンバブエ・15歳)は1度も学校に通ったことがありませんでした。
ADRAの教育啓発研修を受けたボランティアがシリンダイルさんの親に教育の大切さを根気よく話しました。
本もペンも持ち方を知らず、読み書きもできず、自分の未来をワクワクした気持ちで想像することもなかったシリンダイルさん。
現在は、クラスで1番の成績をとるまでに成長し、学力が上のクラスに進級して未来に期待を膨らませています。
初めて学校に通い勉強の楽しさを知ったシリンダイルさん(ジンバブエ・15歳)
リムカニ・シマルンガくん(ジンバブエ・13歳)は今、小学5年生。水道設備が整っておらず水を手に入れるのに特に苦労する地域に住んでいます。厳しい経済状況の中、ADRAの教育支援事業の後押しで学校に通うことができています。
早朝5時に起き、水汲みを手伝った後、片道5キロの道のりを歩いて通学中。学校では「英語は他の国の人たちと交流ができるから好き」と嬉しそう話し、休み時間にはサッカーを楽しんでいます。
「将来はお医者さんになりたい。それに、地域の人々が夢を追いかけるのを助けられる人になりたい!」
リムカニくんの言葉には、学校で学べることを知った幸せがあふれています。
将来はお医者さんになりたいと語るリムカニくん(ジンバブエ・13歳)
クザイ・チズバラさん(ジンバブエ・14歳)は、7年制の小学校の最高学年。学校には1時間かけて歩いて通っています。
貧しい家庭では、子どもを投稿させるよりも労働力として働かせる家庭も少なくありません。学校がみすぼらしく、天候などの影響で休校が多いと、退学させてしまうことも。
クザイさんの学校は今、立派な校舎で天候による授業の遅れもありません。新型コロナウィルスの影響で休校が余儀なくされたときも、家庭用キットにより、学習を進めることができました。
「卒業後は人道的な仕事をして、恵まれない子どもたちが学校に行けるようにしたい。学校に行っていない子どもを見かけたら、学校に行くように絶対に勧めます」
学校で学ぶ喜びを知った子どもたちはきっと、学ぶことの楽しさや大切さを誰よりも強い言葉で伝えていくことでしょう。
1時間かけて歩いて学校に通うクザイさん(ジンバブエ・14歳)
https://www.facebook.com/watch/?v=1421841324499420
キムタヒさんは、ナマステ基金(ネパールスポンサーシップ)の支援を受け、良好な成績で学校を卒業しました。そして、障がいのある父や兄のためにもなればと、統合失調症の看護ができる専門看護師になる夢を持つようになり、今もがんばっています!
最近の教育支援活動
寄付金の使い道
皆さまからいただいたご寄付は、以下の通り使用させていただきます。
①ネパール事業:学資支援事業(ナマステ基金)
②ジンバブエ事業:教育環境整備事業
③教育が行き届いていない地域での調査、地域住民との話し合い
➃災害や紛争の被災地での教育支援
(あらたな教育支援活動がはじまった際には、こちらに追加させていただきます)
ご寄付のお願い
教育支援と一言で言っても子どもの年齢、就学歴、学校と家の距離、学校の環境、家庭環境など、一人ひとりが置かれている状況はさまざまです。ADRAは、それぞれの場面における課題解決を地域の方と共に考え、一人ひとりに寄り添った支援を届けています。
教育支援へのご寄付は、ADRAが行う教育関連の活動を全般的に支えていただく、いわば、みんなでみんなを支える仕組みです。活動地域や内容を限定しないので、より柔軟に、そのとき支援を必要としている子どもたちを応援することができます。
ADRAの教育支援を応援する
いただいたご寄付は、ADRAが取り組む教育支援のうち、そのとき最も資金を必要としている活動に優先的に使わせていただきます。世界の状況が変化する中、120カ国に広がるネットワークと連携し、現地の状況を確認しながら判断し、子どもたちの未来を支えていきます。
毎月もしくは年ごとの継続的な寄付で応援する
月額3,000円から、子どもたちの教育を支える支援の形です。ネパールでは、年間36,000円でネパールの子ども1人の教育を1年間支えることができます(※参考数値です。中退を防ぐために、高学年の子どもの支援に必要とする金額を算出しています)。すでに「ナマステ基金(ネパールのスポンサーシップ)」にご登録をいただいている方からのご寄付は、ナマステ基金に振り分けられます。ナマステ基金のご登録がない方からのご寄付は、教育支援全般のご寄付としてお預かりし、世界各地で取り組む教育支援活動に大切に活用させていただきます。
(ナマステ基金へのご登録をご希望の方は別途、お問い合わせよりご連絡をお願いいたします)
ADRA Japanについて
ADRA Japan(通称ADRA)は、世界約120国に支部を持つ世界最大規模の国際NGOです。
ADRA Japanはその日本支部として1985年に設立され、途上国や災害被災地において、人種・宗教・政治の区別なく、自然災害や紛争の被災者、医療を必要としている人々、教育を受けられない女性や子どもたちなどに、自立を助ける支援や緊急支援を届けています。
寄付金控除(税金優遇)のご案内
寄付金控除(税金優遇)のご案内ADRA Japan は東京都から認定を受けている「認定 NPO 法人」です。ADRA Japanへの ご寄付は、寄付金控除の対象となります。所得税の税額控除の場合、確定申告によって寄付金額から2,000 円を差し引いた金額の40%が所得税から控除され還付されます。また、寄付金額から2,000 円を引いた金額を所得から控除する所得控除を選ぶこともできます。
※詳しくはこちら(https://www.adrajpn.org/Documents/160418_ADRA_Nintei.pdf)