食料危機が深刻なアフガニスタンで約1,000世帯にお米や豆の食料を配付

アフガニスタンで人道支援を必要としている人の数は、2,880万人に上ります。この数は、2023年1月から6月の半年間で約50万人増加しており、人々の生活はますます苦しくなっています。

中でも食料調達は非常に困難で、今や人口の92%が十分な食事をとれていません。特に女性が世帯主の家庭はより深刻な状況です。

経済的な厳しさから、食事の量や回数を減らすことで生活の工面をしている世帯が多くありますが、健康を保つのに必要な栄養が取れず、体は病気にかかりやすくなってしまいます。感染症から身を守るための衛生用品や衛生習慣が不十分な状況も重なり、本来なら予防できたはずの病気になってしまうこともあります。

経済的に厳しい生活の中で病気にかかることは、日本に住む私たちが風邪をひくこととは違い、命の危険につながる可能性も高く、また家庭に大きな負担がかかります。

少数民族であるハザラ族が多く暮らすバーミヤン県は、国全体が危機的な状況にあるアフガニスタンの中でも特に開発が遅れており、支援が必要とされている県の一つです。他の支援も届きにくく、また、長く続いている干ばつの影響もあり、人々が食べていくことが難しくなっていました。

ADRAは、支援を必要としている人々に寄り添う活動を行うために調査・調整を行い、ジャパンプラットフォームからの助成のもと、バーミヤン県バーミヤン地区およびヤカウラン地区の人々に、食料を届ける活動をスタートしました。

配付前の手続きの様子

バーミヤン県では320世帯に、ヤカウラン県では667世帯に対し、小麦粉や豆など1か月分の食料を配付しました。

配付された食料:米、豆、油、塩
配付物資を受け取る親子

今後も引き続き食料を配付しつつ、家庭内の女性を対象とした衛生と栄養の啓発にとりくみ、衛生的な生活を送るのに必要な、水をためておけるバケツやせっけん、洗剤など、家庭で使える衛生用品を配ります。 調理や子どもの世話など、家庭の衛生・栄養を担う女性たちに知識を広め実践してもらうことで、家庭全体の衛生意識や習慣が向上することが期待できます。

アフガニスタンの人々の笑顔の一助となるため、ADRAは今後も活動を続けていきます。

皆様の温かいご支援に感謝いたします。

(執筆:アフガニスタン事業担当)

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