今まで受けられていた支援の打ち切りによって生活に困窮するウクライナ避難民が増加しているジョージアに日本の皆さまからの思いやりを届けます
ウクライナの南東方向に位置するジョージアには、約25,000人のウクライナからの避難者が生活しています。言葉の壁のために就職が難しい状況があるほか、ご自身が高齢であったり、病気があったり、小さい子どもを抱えていたりするために就業できない方が多くいます。
認定NPO法人ADRA Japan (アドラ・ジャパン、 所在地:東京都渋⾕区神宮前1-11-1 理事長:柴⽥俊生)は、昨年7月まであったジョージア政府や国連機関からの現金給付が終わり、生活がますます困窮しているジョージアに暮らすウクライナ避難民の方に寄り添い食料支援を届けます。
2022年2月のウクライナ危機発生直後から、ADRAは戦争で被災した方々の尊厳のある生活を支えるために、多くの方の温かいご支援のもと、現金給付、食料・物資配付、心理社会的支援、電力供給支援など、16の分野に渡る支援活動に取り組んできました。これまでに、ウクライナ国内および周辺国で支援を届けた人の数は、合計770万人以上に上ります。
戦争の長期化のために、ウクライナ国内そして周辺国に避難しているウクライナの方々は心身ともに厳しい状況にあります。国外に避難したウクライナの方については、言葉の壁による就職・就学の困難など、社会生活上の苦労が絶えません。ウクライナの南東方向に位置するジョージアでも、ウクライナから避難している方々の生活はますます苦しくなっています。
ジョージアに避難しているウクライナの方々は、ヘルソン、マリウポリ、ザポリージャなどウクライナ東部・南部の激戦地の出身の方たちです。平穏に暮らしていた生活が絶え間ない砲撃によって奪われ、心に深い傷を負っています。家族を失った方も少なくなく、中にはロシアの「フィルター・キャンプ(ろ過キャンプ)」と呼ばれる施設に連れていかれ、拷問・暴力を受けたのちに命からがらジョージアへ避難してきた方々もいます。
ジョージアのウクライナ避難民の方々は、言葉の壁のために就職が難しいという問題があります。また、高齢であることや病気療養中で働くことが難しい場合があるほか、小さい子どもを抱えていて働きに出られないなどの事情がある方もいます。昨年7月まではジョージア政府によるウクライナ避難民への現金給付支援およびUNHCRによる現金給付支援がありました。しかし、これらの支援が終了して以降、人々の生活費の工面はますます苦しくなり、生活水準は悪化しています。特に首都トビリシに滞在しているウクライナの方は、家賃等の負担もあり、食費を削るしかない状況にあります。
そこでADRA JapanはADRA Georgia(ジョージア支部)と協力し、ジョージアに避難しているウクライナ人25,000人のうち、首都トビリシで暮らす最も脆弱な361 世帯(1,517人)の命を支えるため、約2か月分の食料支援を開始しました。
食料支援は、約16,000円(300GEL)分の食料と交換できるバウチャー券の配付を通して行います。高齢者がいたり、乳幼児がいたり、それぞれの家族構成により必要な食料は異なるため、それぞれが必要とするものと交換ができるよう配慮しています。
この支援によって、ジョージアのウクライナ避難民の方々の命を支え、家族が安心して栄養のある食事をとり元気を取り戻せるように、また、生活を安定化させるために必要な語学学習や就職活動に打ち込めるように、そして避難生活が尊厳のあるものになることを目指しています。
この支援には、約1150万円が必要です。この資金は、日本の皆さまからADRA Japanのウクライナ人道支援に今も日々寄せられているご寄付を充てさせていただきます。今も先が見えない情勢が続く中、今後も息の長い支援が必要となっています。今後も皆様の温かいご協力をお願い申し上げます。
■■■認定NPO法人 アドラ・ジャパンについて■■■
アドラ・ジャパン(ADRA Japan)は、世界中約120ヶ国に支部を持つ世界最大規模の国際NGO、ADRAの日本支部です。各国ADRA支部や国連等のパートナー団体と連携し、「ひとつの命から世界を変える」をモットーに人種・宗教・政治の区別なく、紛争や自然災害の被災地また途上国において、一人ひとりに寄り添い、自立を助ける支援に取り組んでいます。