スロバキアにおけるウクライナ避難民支援 

みなさん、こんにちは! 

ADRA Japanでは、2023年3月から、スロバキアにおいて隣国ウクライナから避難してきている避難民の方々の支援事業を開始しました。 

活動内容は多岐にわたり、避難民の方々の生活を少しでも支えるための食料や衛生用品の配付のほか、障がい者や高齢者を対象とした現金の給付、スロバキアにおける就業など生活に関わる相談、心理ケア専門スタッフとタッグを組んだ心理ケアカウンセリング・心理ケアサポートの活動を行っています。

食料・衛生用品を配付する首都ブラチスラバ市内の避難民ヘルプセンター 

ADRAは、昨年2月のウクライナ人道危機発生から、ウクライナ国内や周辺国での緊急人道支援を最前線で行っており、スロバキア国内での活動は、ADRAスロバキア支部が中心となって取り組んできました。 

スロバキアでは、ADRAスロバキアが持つネットワークを最大限に生かして、ボランティアさんや専門団体のカウンセラーさんたちを巻き込みながら、避難されている方一人ひとりに寄り添うきめ細やかな活動を実施しています。

食料と衛生用品を配付するヘルプセンターの掲示板。多岐に渡る支援活動の情報を案内している。

首都ブラチスラバ市内には、現金給付の登録所および心理社会的ケアサポートの活動場所となっている施設があります。

机の前に立っている女性

中程度の精度で自動的に生成された説明

現金給付の登録を行うウクライナ人コーディネーター2名と受益者 

現金給付の登録所には、日々、多くの申請者が来訪しています。この日も手際よく対応しています。 

この現金給付の活動は、障がいを持つ避難民の方を対象にしています。この日登録に訪れた方の中には、重病を患う幼いお子さんを持つお母さんもいました。登録の際にお子さんの話が出た中で、涙を流される場面もありました。 

長期化する避難生活で、家族や友人と離れ、異国で障がいを持つ家族を支えながら暮らすことの不安や苦労を想像し、私たちの支援が少しでも助けになるといいなと感じさせられた場面でした。 

また、心理社会的ケアサポートの活動では、カウンセリングなどの相談対応もしています。ウクライナ避難民の間では、精神面でのカウンセリングを受けることに対する抵抗感などがあり、カウンセリングを受けたいと自発的に申請することが難しいこともあります。そんな状況をよく知るスタッフたちが中心となり、語学教室(スロバキア語や英語)などの交流活動をしながら、困りごとを抱える方・助けが必要な方が声を挙げやすい環境を作っています。 

 

スロバキア語で地元住民やスロバキア人スタッフと会話をする避難民

この日は、語学交流のセッションに初めて参加した女性が、実は心に大きな負担を抱えているということをスタッフが発見しました。 

今後、様子を見ながら、必要に応じて心理社会的ケア専門のカウンセラーにもつなげていけるよう、次回以降の活動でも担当のスタッフを中心にフォローをしていきます。 

これらの活動は、3月から準備し、だんだんと軌道に乗ってきたところです。1つ1つの活動で避難民の方々の声をしっかりと拾いながら活動を実施してまいります。 

今後とも皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 

*この事業は支援者の皆さまからお預かりした寄付金と、(特活)ジャパン・プラットフォームによる助成金とで実施しています。心より感謝申し上げます。 

(執筆:ウクライナ事業担当 高橋 睦美) 

 

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