心と身体に温もりを届けるウクライナ越冬支援。氷点下が続く中、ストーブや燃料、防寒グッズや寝具を。

ウクライナ各地で止まる電気や暖房。暗闇の中、厳しい寒さを耐えなければならない人々に、支援は届いているのか。現地で活動するNGOからの報告。

戦禍の中で厳しい寒さが続くウクライナでは、厳しい寒さをどう乗り越えるかが喫緊の課題です。本格的な冬に突入し、まだ春までしばらくある中、越冬支援により暖房施設、ストーブや燃料、防寒具などの支援により、人々は安心して過ごせる暖房ステーションや避難施設など安心できる環境を支援しています。避難施設では、生活に必要な設備を整え、温かい食事を提供し、子どもたちにも笑顔で過ごすことができています。

国際NGO ADRA〔アドラ、本部:アメリカメリーランド州/日本支部(アドラ・ジャパン):東京都渋谷区神宮前1-11-1〕は、本格的な冬の到来を迎えたウクライナにおける越冬支援に取り組んでいます。

ウクライナでは各地で砲撃が続いており、水、ガス、電気の供給が危機的状況にあります。従来は、各地域の町にセントラルヒーティングの仕組みがありますが、寒さが厳しいこの時期にもかかわらず、戦闘の影響によって設備は機能していません。ADRAは、このような状況を見据え昨年夏より越冬に向けての準備を進めてまいりました。

暖房ステーションの設置

砲撃が続く東部のドニプロペトロウシク州では、暖房ステーションを3か所に設置することができました。地域で暖を共有できる施設に、高出力の薪ストーブを置くことで、地域住民の方々が寒さによる体調不良や命の危険を避けることができています。

暖房ステーションで少しでも体と心を温めていただけるように(2022年12月ドネツク州にて)

 同じく東部のドネツク州の保健・医療センターにも同様の薪ストーブを提供し、同州の124世帯に、暖を取るための練炭を、1世帯あたり1トン、戸別に届けることができました。北東部のハルキウからも障害のある方、避難したくてもできない方、高齢の方、子どもたちのために、暖が取れるように支援してほしいとの要請があり、15台の薪ストーブを届けています。

ハルキウに到着したストーブなど (2023年1月ハルキウにて)

暖かい毛布や保温ポット

キーウ州、ヴィーンヌィツャ州、ジトーミル州、ポルタバ州などでは避難生活を送る方々に保温ポット、寝袋、毛布などのウィンターキットや、温かく眠れる寝具を届けています。
 

冬用の温かい寝具 (2023年1月キーウ・ポルタバにて配付)

安心して宿泊できる施設の提供

また、特に支援を必要としている方々を優先に、宿泊施設も提供し、施設では1日3食の温かい食事、各部屋のシャワー設備、キッチンやダイニングルームも設け、洗濯や乾燥のサービスを提供し、できる限りの快適な環境を整え、薬や日用品などを備えています。

この施設では、子どもたちも元気に安心して過ごすことができており笑顔が見られます。

子どもたちに笑顔を届ける「チルドレン・チルドレン」

また、ウクライナで例年取り組まれている「チルドレン・チルドレン」では、今年は3,182個のギフトが集まり、子どもたちに笑顔が届きました。
 

ギフトボックスを受け取った子どもたち​​

日本からお年玉で参加できる「チルドレン・チルドレン from Japan」にも51名から申し込みがあり、現地スタッフの協力のもと、子どもたちの手元にギフトが着々と届いています。

「チルドレン・チルドレン from Japan」のギフトボックスの中身(2023年2月7日)

いまだに戦火の下で生活するウクライナの人々が、少しでも寒さをしのぎ、安らぎを感じていただけるよう、今後も一人ひとりに寄り添った支援に取り組んでまいります。

約1年に渡る継続的なご支援に心から感謝申し上げます。
この度、皆さまのご支援に対する感謝を込めて、1年に渡る支援活動についてお伝えする報告会を2月22日19時から開催いたします。皆さまから寄せられたご質問に応えながら、ウクライナの現状や活動の内容など、日頃メールマガジンやSNSでは、お伝えしきれない現地の生の声をふんだんにご紹介いたします。

皆さまの中には、今回のウクライナ人道支援で初めて寄付をしたという方や、何かできないかと考えるきっかけになったという方も多くいらっしゃると思います。

皆さまが日ごろ、ウクライナに関して気になっていることなどがわかる機会となります。皆さまのご参加をお待ちしております。

【参加無料/ 定員100名】第2回ウクライナデー報告会を開催します!2月22日(水)

19時~20時オンライン開催

ウクライナ危機の発生からまもなく1年。

平穏な生活を奪われてしまった方々へのあなたの支援がこの1年、人々をどのように支えてきたのか、現地で活動するADRA(アドラ)からご報告いたします。
イベント内では、皆さまの興味・関心の高いトピックを中心に、お伝えしてまいります。

お申し込みと詳細についての内容は下記よりお願いします。
皆さまのご参加お待ちしております!

▼▼▼お申し込み方法▼▼▼

1分で入力が完了するフォームから参加のお申し込みをお願いします。
お申し込みはこちらから

イベント前日までに、当日アクセスしていただく Zoom の URL をお送りいたします。また、お申込みが完了すると確認のメールが届きます。届かない場合、迷惑メールに入っていたり、@adrajpn.orgからのメールが届かない設定になっていたり、メールアドレスを間違えて入力してしまった可能性がございます。ご確認いただき、ご不明な点はお問い合わせください。

参加費:無料

開催場所:オンライン(zoom を使用)にて開催
ご自宅等から Zoom を使用(特定のソフトウェアは必要ありません。PC、スマートフォン、タブレットなどがあれば参加できます)
申込締切:2 月21 日(火)正午

登壇するスタッフ:順不同

小出 一博(こいで かずひろ)(緊急事業担当)
国内、海外の緊急対応を担当。これまでに、2007 年~ラオス農業支援、2011 年~東日本大震災被災者・復興支援、2015~2018 年イエメン国内避難民支援、2018 年西日本豪雨、2019年台風 15 号、2020 年 7 月豪雨、2021 年 8 月豪雨の被災者支援を担当。現在は、2021 年フィリピン台風やウクライナ危機の支援事業に従事。東京都出身。

杉本 亜季(すぎもと あき)(事業統括マネージャー)
マネージャーとして事業全体を統括。学生時代を欧米で過ごし、大学卒業後は通信社に勤務。英国の大学院で開発学を専攻したのち、NGO に所属し主に現地に駐在して、旧ユーゴスラビア地域やアフガニスタン、ミャンマー、ブルガリア、シリアなどでの支援事業に従事。愛知県出身。

高橋 睦美(たかはし むつみ)(ウクライナ事業担当)
大学卒業後は民間企業に勤務、その後語学留学を経て青年海外海外協力隊に参加。ケニアでコミュニティ開発ボランティアとして2年間活動。帰国後、英国の大学院で国際社会開発学を専攻後、ADRA に入職。ADRA では海外事業部で、ジンバブエ教育事業などを主に担当し、2022 年 12 月よりウクライナ事業マネージャーとしてスロバキアに赴任。熊本県出身。

【イベントに関するお問い合わせ先】
特定非営利活動法人 ADRA Japan(アドラ・ジャパン) イベント担当
電話番号:03-5410-0045
Email:event_adra@adrajpn.org

■■■認定NPO法人 アドラ・ジャパンについて■■■
アドラ・ジャパン(ADRA Japan)は、世界中約120ヶ国に支部を持つ世界最大規模の国際NGO、ADRAの日本支部です。各国ADRA支部や国連等のパートナー団体と連携し、「ひとつの命から世界を変える」をモットーに人種・宗教・政治の区別なく、紛争や自然災害の被災地また途上国において、一人ひとりに寄り添い、自立を助ける支援に取り組んでいます。

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