障がいのある方にも寄り添って ~厳しい状況が続く中、特に支援を必要する人々に寄り添う活動を進めています~

ウクライナ人道支援 障がい者支援

いつも温かいご支援をいただきありがとうございます。ウクライナで戦争が始まってから、1年が過ぎました。ADRAはあらゆる場面で一人ひとりに寄り添う支援を届けています。

戦況の改善はなく、ウクライナの人々はいまでも非常に厳しい状況下にあります。その中でも、ADRAは最も支援を必要としている人々にさまざまな支援を続けています。障がいのある方たちへの支援もその重要な取り組みの一つです。

危険地域からの避難

まず、障がいのある方たちが、砲撃にさらされている地域から、より安全な地域に移動できるよう、避難活動に取り組んでいます。

最近では、ドネツィク州のリマン(Limana)、バフムートやトレツク(Toretsk)などの町から逃れ、ドニプロ市内にある、障がいのある方や、体の不自由なお年寄りのための宿泊施設に滞在していた8名が、より安全なチェルカースィ州の都市ウマニへ避難することができました。

【障がい者の避難支援(撮影場所:チェルカースィ州ウマニ2023年2月12日頃)】

また、ルハンスク、ドネツク、カーソンから逃れ、同じドニプロ市内の宿泊施設に滞在していた5名も、無事ウマニへ避難することができました。

これらの活動では、避難をお手伝いするだけでなく日常生活で必要な交通手段、心のケア、現金やクーポンの提供もしています。

【高齢者と障がい者の避難支援(撮影場所:ドニプロペトロウシク州2023年2月9日頃)】
【高齢者と障がい者の避難(撮影場所:チェルカシー地域2023年2月6日頃)】

トレーニングの提供

ADRAは、障がいのある方たちのトレーニングにも取り組んでいます。

ADRAの心理学者のユリアさんが、イルピン市議会の児童家庭サービス部の協力のもと、障がいを持つ子どもたちに、塩粘土を使ったアートセラピーを提供しました。

このセラピーは、手作業を通して精神機能を高めることができるため、子どもたちに適しています。子どもたちの想像力には際限がなく、みんながこの学びのプロセスを楽しみました。セラピーに参加した子どもたちには、支援者からのギフトも贈られました。

[障がいのある子どもたちへのアートセラピー(撮影場所:キーウ州イルピン市2023年2月10日)]

首都キーウでは、聴覚障がいを持つ方向けのプログラムにも取り組みました。

この「幸せについて話そう」と呼ばれるグループセラピーは、参加者の心のケアのサポートを目的としています。厳しい状況下で、どうしたらハッピーになれるか、という課題について話し合いました。ADRAの心理学者は、参加者の方々に不安への対処方法や、音楽療法で得られる「幸福ホルモン」の効果についてお話しました。

参加者らはセラピーの最初に自分の気分を天気に例え、みんなと共有しました。

トレーニングの最後には、セラピーの効果もあり参加者全員が「晴れ」の気分になりました。

【聴覚障がいのある方たちに心理ケアトレーニングを提供(撮影場所:キーウ2023年1月26日)】

車いすの提供

2022年12月15日より、障がいのある方たちに車椅子を提供する支援も行っています。これまでに67台の車椅子が配布されました。このプロジェクトは、ボランティアの方々によって、ウクライナのほぼ全土にわたり行われています。 

【ウクライナ全土で車椅子を配付しています(撮影場所:キーウ州2023年1月16日頃)】

支援への感謝と展望

いまだに厳しい状況が続くウクライナでは、特に障がいを抱えていらっしゃる方々は、さまざまな困難に直面しています。ADRAは、今後も障がいを抱えていらっしゃる方々にも寄り沿い、支援活動を続けてまいります。引き続き、皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

(文責:マーケティング・広報 栗栖一郎)

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