心のケアで明日への一歩を~ウクライナ支援活動の現場より~

ADRAの活動をいつも応援してくださり、ありがとうございます。

現在もADRAではウクライナで人道支援を継続しており、食料の配付や多目的現金給付に加えて、心理的な不安を抱える方々のための心理ケアを実施するなど、多岐にわたって人々に寄り添った支援を実施しています。

心理ケアの相談は、生活の不安を抱えた女性や高齢者、戦争で負傷された方々など、より脆弱な立場にある方々を中心に行っています。今月、ウクライナ人道支援のためにスロバキアに駐在している細見が、オンラインで行われているグループセッションに参加し、6人の受益者にインタビューを行いましたので、ここでご紹介いたします。

インタビューにご参加いただいた方々は、20代から40代の女性で、ウクライナのフメリニツキー、ミコライウ、ハルキウなどの遠隔地域に住んでいます。彼女たちは、これまでにオンライングループセッションに2~6回参加したと語ってくれました。あえて、対面ではなくオンラインで実施することで、より前線地域に住む方などにも支援を届けることができています。

各回グループセッションの内容は異なりますが、その中でも特に役立ったと感じたものとして、感情起伏の処理や自己肯定感を高める方法、健全な対人関係の構築などが挙げられました。参加者からは「こうしたセッションを通じて生活が変わった」という声が多く寄せられています。

例えば、15歳と7歳の息子と一緒に住むイナさんは、戦争が始まった後、10代の息子が重い精神的ストレスに苦しみ、イナさん自身も、彼との付き合い方に戸惑いを抱いていました。しかし、心理的な境界線の重要性や、より良いコミュニケーションの築き方を学び、息子との健全な関係を再構築することができたそうです。

二人の娘を持つカトリーナさんは、セッションを通じて自分自身と娘たちのために強くなる必要性を感じました。彼女は、不安と向き合う方法や、困難な状況でも希望を見出すスキルを学ぶことができています。

オンラインインタビューを通して、多くの参加者が前向きな変化を実感していることがわかりました。こうした方々のサポートを続けるADRAの活動は、ますます重要な役割を担っていると改めて感じています。 これからも活動を通じて、より多くの方々に寄り添った支援を届けられるよう努めてまいります。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

執筆:ウクライナ事業担当 ディナラ・アビブッラエヴァ

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